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プーチン大統領“激怒” IS拠点を猛爆撃 206カ所破壊、出撃80回超


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 プーチン大統領率いるロシアが、残虐非道な過激派組織「イスラム国」(IS)の殲滅作戦を本格化させた。エジプト東部シナイ半島で先月31日に発生したロシア旅客機墜落が「ISの犯行」と断定されたため、集中空爆を加えた。パリ同時多発テロにいきり立つフランスや米国と連携して、近く、大規模攻撃も仕掛ける。英国も空爆に参加する意向を示した。世界屈指の軍事大国を敵に回したことで、ISは断末魔を迎えることになりそうだ。

 「地球上のどこに犯人たちが隠れようとも、見つけ出して罰を与える」「空爆作戦を継続するだけでなく、犯人たちに『罰からは逃げられない』と理解させるため、これを強化する」

 プーチン氏は17日、国営テレビのカメラに向かい、怒りを込めて、こう明言した。直前、ロシア連邦保安局(FSB)のボルトニコフ長官から、乗員・乗客224人が全員死亡した旅客機墜落の悲劇が「爆発物によるテロ」との調査報告を受けたのだ。

 墜落直後、「ISシナイ州」を名乗る組織が、「ロシアへの復讐のため撃墜した」とする犯行声明文をインターネット上に出していた。

 「鉄の男」の言葉通り、ロシア軍は同日朝から、長距離戦略爆撃機も投入して、シリア北部アレッポにあるISの拠点などを攻撃した。AFP通信は「206カ所を破壊した」と伝えた。

 ロシアは9月末から、空軍機による爆撃や、カスピ海上に展開した海軍艦艇から巡航ミサイルでシリア空爆を実施してきたが、この日の出撃回数は約2倍の80回以上とされる。地中海に展開した同国潜水艦が巡航ミサイルを発射したという情報もある。

ロシア国防省によると、投入された戦略爆撃機は「Tu-160(ブラックジャック)」と「Tu-95MS(ベア)」「Tu-22M3」の3機種。Tu-160は、特徴的な可変翼を持つ超音速戦略爆撃機で、最大速度はマッハ2・05。短距離巡航ミサイル24発を搭載可能だ。

 FSBはさらに、旅客機墜落の有力情報に5000万ドル(約61億円)の報奨金を出すと発表した。

 プーチン氏は外交でも動いた。

 パリ同時多発テロを受け、「わが国は戦争状態にある」と宣言したフランスのオランド大統領と17日、電話会談を行い、「対IS」の軍事行動の連携で一致した。プーチン氏は、オバマ米大統領とも15日、G20(20カ国・地域)首脳会合が開かれていたトルコ南部アンタルヤで会談し、IS掃討の重要性で一致している。

 プーチン氏は17日、フランスを「同盟国」と呼び、地中海に展開するロシア海軍と、原子力空母「シャルル・ドゴール」を主力とするフランス海軍が共同作戦を実施することを明らかにした。

 フランスと米国にとって、ロシアは仮想敵国の1つであり、オランド、オバマ両氏は、ロシアによるクリミア半島編入を強く批判していた。シリア空爆をめぐっても、「アサド政権打倒」を目指す仏米と、「アサド政権温存」を狙うロシアは距離があったが、IS殲滅という共通目標によって、事実上の棚上げとなった。国際政治の構図がガラリと変わった。

オランド氏は同日、NATO(北大西洋条約機構)の同盟国であり、対ISの「有志国連合」を形成する米国のケリー国務長官とパリで会談し、IS掃討のため空爆を強化することを確認。仏米空軍はこれを受け、ISが首都と称するシリア北部ラッカを空爆した。

 オランド氏は24日にワシントン、26日にモスクワを訪問し、オバマ氏、プーチン氏と相次いで会談する。ISを殲滅させる多国籍軍の大規模攻撃に向けた調整をするとみられる。

 NATOの盟友である英国も決断した。キャメロン英首相は17日、ISを打倒するため、有志国連合のシリア空爆に英軍を参加させる意向を表明した。今後、議会承認を求める。

 ISはわずか半月の間に、旅客機墜落テロ(犠牲者224人)と、パリ同時多発テロ(同129人)を引き起こし、罪のない計353人もの尊い命を奪った。

 人類史に残る蛮行を受けて、世界屈指の軍事大国であるロシアとフランス、米国、英国が立ち上がった。ISは今後どうなるのか。完全制圧のための地上軍投入もあり得るのか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「ISは空爆で弱体化している。ここ2、3カ月がヤマ場だ。(仏米露英軍は)徹底的な空爆を実行する」といい、続けた。

 「今後、スペインやイタリアも空爆に参加することもあり得る。ISは制空権もなく、軍事的には手も足も出ない。地上軍派遣は、オバマ氏がゴーサインを出し、プーチン氏が認めれば、NATO軍が『集団防衛』を明記した北大西洋条約5条を発動して、派遣する可能性はある。ただ、追い詰められたISがテロを実行する危険性は残っている」






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