Quantcast
Channel: Tommy's Express ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 32610

推薦入試で見えた東大の“凋落ぶり”

$
0
0



“最高学府”の東京大学が初めて導入した推薦入試の出願状況が公表された。

 後期日程を廃止し、10学部で推薦に切り替えた。新入生の約3%に当たる100人程度を募集し、173人が出願した。面接やセンター試験の結果などを踏まえ、来年2月に合否を決める。

 成績が優秀であるだけでなく、「とがった学生」を集めるのが狙い。駿台予備学校の石原賢一・進学情報センター長は言う。

「東大生は優秀ですが、今までの入試や教育システムの中では異彩を放つ学生はなかなか生まれません。推薦で特異な才能のある生徒を早期に見つけて育てようとしています。他大学はすでに推薦やAO入試などに乗り出し、東大もやっと動き出した印象です。どの大学も試行錯誤しながら毎年やっていくうちに期待する学生が入学するようになっていっています」

 だが、受験の仕組みに難点がある。各高校で男女1人ずつしか推薦できないため、仮に成績優秀な生徒が女子ばかりだったら人選に困る。推薦要件の一例として、「科学オリンピックで顕著な成績」「商品レベルのソフトウェア開発」などを挙げているが、これでは該当者が少なすぎる。

 そもそも推薦で「とがった学生」が得られるのか。「推薦では高校や大学の先生に受けが良い子が合格する。とがった学生を得るなら面接は向いていません」

 東大医学部出身で精神科医の和田秀樹さんはそう指摘する。自身の経験も踏まえ「むしろペーパー試験のほうがイエスマンではない、おもしろい学生は入りやすい」と言い切る。

「とがった学生」が、東大に魅力を感じるかという問題もある。

 海外大学進学の目安とされる世界大学ランキングで、東大は昨年の23位から43位に下がった。アジアではシンガポール国立大学と北京大学に抜かれた。

 ベネッセコーポレーションが運営する海外トップ大学進学塾「ルートH」の藤井雅徳さんは言う。

「東大のブランド力が落ちています。うちの生徒は、ハーバード大学などの滑り止めとして東大を受けても、両方受かれば海外の大学を選びます。飛び抜けた生徒は入試方式では大学を選びません。どこがわくわくするか、卒業後もどれだけ多様な経路があるか、ちゃんと見ているんです」



Viewing all articles
Browse latest Browse all 32610

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>