ニューヨークにあるカトリック教会で、イエス・キリストの生誕の場面を再現したクリスマス飾りの中に、へその緒のついた赤ん坊が置き去りにされているのが見つかる出来事があった。
タオルに包まれた男の赤ん坊が見つかったのは23日、場所はクイーンズ地区にある「聖なる子イエス・キリスト教会」だ。
教会の管理人は赤ん坊の泣き声を聞いたものの、人の出入りが多いため当初は気にもとめなかったという。ところが声のする方に近づいてみると、本物の新生児がいたというわけだ。
教会スタッフが救急車を呼び、赤ん坊はすぐに病院に搬送された。
教会の監視カメラには女性が赤ん坊を置く様子が映っており、警察が行方を追っている。
この教会の神父、オクタビオ・シスネロス司教は「赤ちゃんのことを思いやった」と、この女性を称賛。「彼女は赤ちゃんを歩道やごみ箱に捨てたりしなかった。危害が及ぶようなやり方で赤ちゃんを扱ったりしなかった」と語った。
ニューヨークの法律では、安全で適切な場所であれば親が赤ん坊を置き去りにしても罪には問われない。
教会関係者によれば、赤ん坊の体重は約2300グラムで元気だという。
同関係者は「赤ちゃんが元気で本当にうれしい。戸外に置き去りにされるのではなく、すぐに見つかるようないい場所に置かれていて本当によかった」と述べた。
教会の信者たちは、赤ん坊を新しい家族として温かく迎え入れようとしている。
前出の教会関係者は「(信者のなかに)里親にぴったりな若い夫婦がいて、この子を養子にしたいと望んでいる」と話した。
「私自身、だんだん赤ちゃんへの愛情が沸いてきた」とシスネロス司教は語る。「何せ聖職者は(父の字のつく)『神父』と呼ばれているのだから」