チュニジアの首都チュニスで24日、大統領警護隊を乗せたバスが爆発した事件で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は25日、犯行を認める声明を出した。
チュニジア内務省によれば、この爆発で12人が死亡。自爆テロを行ったとみられる人物も死亡した。首相府の関係者は当初、15人が死亡したと伝えていた。
ISISは声明で、事件は自爆ベストを着た男が車内で自爆したテロだったと主張。実行犯とされる人物の写真とともに、「チュニスの専制者はその身がもはや安全でないことを思い知れ。神の法でチュニスが統治されるようになるまでわれわれは止まらない」とのメッセージを公開した。
チュニジア政府はISISの声明についてコメントしていない。CNNではこの声明の信ぴょう性は確認できていない。
チュニジアは2011年の民主化運動「アラブの春」の成功例の一つとされてきたが、今年3月にはチュニスのバルドー博物館、6月には北東部スースのホテルで銃撃事件が起きるなど、暴力が後を絶たない。両事件ともISISが犯行声明を出している。
また、過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)が今年発表した報告書によれば、シリアやイラクのイスラム教スンニ派武装集団(ISISを含む)の外国人戦闘員のなかで、最も多いのがチュニジア出身者だという。
この報告書によれば、シリアとイラクには1500~3000人のチュニジア人戦闘員がいる。次いでサウジアラビア(1500~2500人)が多く、欧米ではフランスが最多で1200人。