若宮健嗣防衛副大臣は26日、沖縄県の石垣島を訪ね、南西諸島の防衛強化のためとして500~600人規模の陸上自衛隊部隊を現地に配備する方針を中山義隆石垣市長に伝えた。
防衛省によると、配備するのは、離島が侵攻を受けた際に初動対応に当たる警備部隊や、地対空、地対艦ミサイルを担当する部隊。2019年度からの次期中期防衛力整備計画(中期防)期間中の配備を目指す。
東シナ海では、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入を繰り返すなど、中国が海洋活動を活発化させている。部隊配備は中国の動きへの抑止力を高めるのが狙いだ。岩田清文陸上幕僚長は26日の記者会見で「防空や対艦防護の能力を高めるメリットがある」と述べた。
南西諸島をめぐり、防衛省は今年度末までに与那国島(沖縄県)に約150人の沿岸監視部隊を配備する予定。現在、駐屯地の建設工事を進めている。さらに18年度末までに、宮古島(同県)に700~800人、奄美大島(鹿児島県)に約550人の警備部隊や地対艦、地対空ミサイルの部隊を配備する。
来年度予算の概算要求には、宮古島の新駐屯地の用地取得費など108億円、奄美の新駐屯地造成工事費86億円を盛り込んでいる