米フェイスブックは29日までに、男性社員に第1子が生まれた場合、有給の育児休暇を4カ月間認める方針を明らかにした。世界各地の支社などで働く男性の正社員が対象で、来年1月から実施する。
同社の男性社員に対する育児休暇日数はこれまで4週間で、大幅な延長となっている。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は最近、近く生まれる子どものため2カ月間の育児休暇を取ることを宣言していた。
米国内の同社社員は既に4カ月の育児休暇を取得し、外国支社などで働く女性社員ももらっている。外国支社などは34あり、正社員数は世界規模で約1万2000人。
米国では母親への育児休暇の供与は広範に実施されているが、父親に対する有給の育児休暇の提供は定着しているわけではない。
同社によると、4カ月間の育児休暇は第1子誕生後の1年内に付与され、4000ドル(約49万円)の特別手当も支給される。同社社員に保障されている育児に絡む権利は米国企業の中でも最も手厚いものとなっている。
有給の育児制度の改善は有能な人材確保や引きとめを図る上で多くの企業が注目する問題となっており、特に技術系企業の間での動きが目立っている。
米国は先進国の中で母親に対し有給の育児休暇を義務付けていない唯一の国となっている。有給の家族休暇を提供する民間企業は全体のうち12%とのデータもある。
音楽サービス企業スポティファイは先週、新たに母親や父親になる従業員に報酬の全額を保証する半年間の休暇制度を発表。ネットフリックスは第1子が初めての誕生日を迎えるまでの間、期間に制限がない有給の育児休暇を開始させている。