2015年12月9日、中国台湾網によると、台湾のパスポートの表紙の「中華民国」の文字を覆い隠すように「台湾国」と印字されたシールを張り付けて他国の入国審査を通過しようとする台湾人が入国を拒否されるケースが相次いでいる。
8日に台湾の各メディアが報じたところによると、先日、シンガポールで「台湾国」と書かれたシールを貼り付けたパスポートで入国しようとした台湾人が入国拒否された。台湾外交部は、同様の例がここ最近3件あったとし、そのうち2件では、入国を拒否された後にシールをはがして見せたものの、やはり入国を拒否されたという。
台湾では独立志向の強い人々の間で、このシールを貼ることが流行している。ネット上には、シールを貼ったパスポートで問題なく入国できたという“前例”が多数書き込まれているが、入国を拒否されるケースもある。
今年9月には、台湾の政治家・呂欣潔(ルー・シンジエ)氏がフェイスブック上で自身の経験を明かした。呂氏がオランダの入国審査で「台湾国」のシールを貼ったパスポートを見せると、別室に連れて行かれシールをはがすよう求められた。呂氏は「台湾は独立国家です」と訴えたが、係官は「シールを張れば独立したことになるのですか?」と反問したという。
台湾当局はこうした事態を受け、11月にパスポートに関する条例の修正案を発表。新たに、パスポートの原状に影響する書き変え、修正などを禁止する項目が盛り込まれた。