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誤算続きの露…経済疲弊、「対IS」深入りの袋小路

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 米欧との「対テロ」共闘関係の構築が期待通りに進まず、ロシア軍機の撃墜をめぐるトルコとの対立で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)を取り巻く関係諸国の構図はさらに複雑になった。ロシアは、トルコもにらんでシリア内戦に深入りし、自国経済を圧迫する袋小路に陥りつつある。

 プーチン政権はパリ同時多発テロ後、エジプトで10月末に起きた露旅客機墜落が爆弾テロだったことをようやく公表。大型テロで国際協調機運が高まったのに乗じ、「対IS」の旗印で米欧との溝を埋め、ウクライナ危機以降の孤立を脱却する思惑だった。しかし、米欧との連携は、シリアでの空爆に関する情報交換などにとどまり、本格的な「対テロ連合」の形成には至っていない。

 追い打ちとなったのが、シリア空爆に派遣されていた露爆撃機が11月24日、トルコ軍に撃墜された一件だ。「IS掃討」を名目にシリアのアサド政権を空爆で支援するロシアが、トルコを後ろ盾とするシリア反体制派を攻撃していたことが伏線だった。

 ロシアは、テロの報復としてIS空爆に本腰を入れざるを得なくなった上、トルコとも軍事的ににらみあう形となった。ロシアは、シリア駐留の爆撃機などを10機増の54機とし、最新鋭の対空ミサイル「S400」も配備。戦略爆撃機の遠征や、長距離巡航ミサイルによるシリア領攻撃も示威的に行っている。

 米欧の制裁下にあるロシアは、経済多角化の望みを託していたトルコに農産品禁輸などの制裁を発動。ロシアの「対テロ戦」が、さまざまな形で経済の疲弊を早めることは確実だ。



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