小4女児が機転を利かせてオレオレ詐欺を未然に防いだとして、宇都宮南署は16日、宇都宮市内の小学校に通う女子児童(9)に感謝状を贈呈した。
同署などによると、女児が11月16日午後5時ごろに自宅に戻ったところ、祖母(82)がたんす貯金していた現金を数えていた。不思議に思って尋ねると、「息子(女児の父親)から電話があって、出張先で大事な物を紛失したためお金が必要と言っている」と話した。
女児は「テレビで見たことのあるオレオレ詐欺に似ている」と思い、父親が出張に行くという話も聞いていなかったため、父親の職場に連絡。電話に出た父親が祖母と話をして詐欺だったことが分かったという。
感謝状を受け取った女児は「うれしい。詐欺だと気がついたときはびっくりした。私も電話を受けて、お金がほしいと話されたら詐欺かもしれないと疑うようにしたい」。母親も「家ではおっとりした子なので驚いた」と話した。
同署の山口勝隆署長は「お見事。父親の出張を伝えあっていたりと、家族のコミュニケーションが生きた事案。だまされる人を対象に啓発活動をしてきたが、地域や子供に防止の啓発をすることも意味があるかもしれない」と話した。
児童の通う小学校の校長は「自分で自分を守ろうと教育しているが、こういう形で家族を守れたのは本当に素晴らしく、学校の誇り」と称賛した。