2016年米大統領選をめぐる「風刺画戦争」が始まった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が、共和党の指名候補を目指すテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員の5歳と7歳の娘2人をサルにたとえた風刺画を掲載したのが発端だ。
ワシントン・ポストが掲載したのは、手回しオルガンを弾くクルーズ氏と、それに合わせて2匹のサルが踊る風刺画。「テッド・クルーズは自分の子どもたちを政治の道具にしている」との見出しが付けられていた。この風刺画は既に同紙ウェブサイトから削除されている。
クルーズ氏は、マイクロブログのツイッター(Twitter)で「上等だ。ワシントン・ポストは私の娘たちを笑いものにし、執拗(しつよう)に私を攻撃していいる。キャロラインとキャサリン(同氏の娘たち)はあんたたちとは格が違う」と怒りを表明。さらに23日夜、民主党の指名争いトップを走るヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が犬2匹を散歩させている風刺画をツイッターに投稿した。
風刺画の犬には、それぞれ「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」と書かれており、「こっちのほうが風刺画として上出来だろう。ヒラリーと彼女の言いなりのペット犬たちだ」とクルーズ氏。米メディア、特に「ワシントン・ポスト」と「ニューヨーク・タイムズ」が民主党寄りだとみる共和党内の不満をほのめかした。
クルーズ氏はテキサス(Texas)州選出の上院議員で、世論調査で共和党指名候補争い2位。来年2月に幕を開ける大統領候補予備選の初戦アイオワ(Iowa)州では、トップの支持率を獲得している。