ロシア・シベリア(Siberia)連邦管区のケメロボ(Kemerovo)州が打ち出した減量コンテストで、30キロの減量に成功した看護師の女性に賞品としてトラック1台分の石炭が贈られた。
ケメロボ州のアマン・ツレイエフ(Aman Tuleyev)知事は、住民健康対策の一環としてダイエットに成功した肥満住民に石炭数トン分を贈ると発表していた。同州には世界有数の石炭産地クズバス(Kuzbass)炭田がある。
メディア情報などによると、減量に成功し石炭を獲得したのは州内ベレゾフスキー(Berezovsky)の診療所で看護師長を務めるエレーナ・サルニコワ(Yelena Salnikova)さん(43)。地元コメディー・クラブの団長でもあるサルニコワさんが減量を決意したのは容姿を変えたかったからではない。高血圧や糖尿病など健康に懸念を抱いていたためだ。「錠剤の山を目にして、恐ろしいことになっていると気づいたんです」
サルニコワさんは数か月間、スキーやサイクリング、ローラーブレードに取り組み、その結果、夏には112キロあった体重を80キロまで落とすことに成功した。
以前よりずっとスリムな体型になったサルニコワさんは24日、「賞品」を積んだトラックが自宅にやってきて石炭5トンを庭に山積みにするのを見守った。1日分の燃料としてはバケツ3杯もあれば十分だという。
ロシアは世界でも指折りの石炭輸出国。大半の石炭がシベリアのクズバス炭田で産出されている。一方、世界保健機関(WHO)の2014年のデータによれば、旧ソ連諸国の中ではリトアニアに次ぐ肥満国でもある。