インドのウッタルプラデシュ州の警察は26日までに、牛肉を食べたり家内での保存が疑われたイスラム教徒の50歳男性が住民の集団暴行で殺害されたと報告した。15人が殺人罪で訴追された。
事件は今年9月、人口が6000人以上の地域で発生。イスラム教徒は2家族しかおらず、鍛冶(かじ)職人だった被害者の男性はそのうちの1世帯に属していた。
事件では被害者の自宅も襲われて略奪を受け、高齢の母親や22歳の息子も殴打されるなどした。息子は重傷で病院に運ばれたという。
被害者の自宅の冷蔵庫には牛肉があるとの情報も流れ、地元警察は科学捜査の結果を待っている。
インドで圧倒的な多数派を占めるヒンドゥー教は牛を神聖視しており、殺害などはウッタルプラデシュ州を含む大半の地域で禁じられ、犯せば罪となる。同国内ではここ数カ月間、少なくとも2人のイスラム教徒男性が牛肉を運んだり、牛の密輸に加わったとのうわさが流れる中で襲撃される事件が起きていた。