米イリノイ州シカゴで26日未明、家庭内トラブルの通報を受けて出動した警官が発砲し、現場にいた2人が死亡する事件があった。同市では白人警官が黒人の少年を射殺した昨年の事件をめぐって、警察への批判が高まっている
シカゴ警察は記者会見で、現場で敵対的な行動を示した人物がいたため、出動した警官のうち1人が発砲したと発表。死者2人が、通報されたトラブルにかかわっていたかどうかは不明だと述べた。
地元検視当局者は同日、55歳の女性と19歳の男性が死亡し、27日午前に検視が完了すると語った。
死亡した男性の母親はCNN系列局とのインタビューで「病院へ行くと、息子は7発も撃たれて亡くなっていた」と話した。男性は大学で工学を学んでいたという。
同局の報道によると、男性の父親から「息子が金属バットを持って異常な行動をしている」と緊急通報があった。母親は「息子は精神的な問題を抱えていて大声を上げる時もあったが、暴力を振るうことはなかった」と話している。
亡くなった女性は、同じ建物の階下を借りていたとされる。
シカゴでは昨年、黒人少年が警官に射殺され、1年以上たった先月になって当時の映像が公開された。その内容などをめぐり、24日にも市内の繁華街で大規模なデモが起きたばかり。この問題で警察本部長が解任され、エマニュエル市長にも退陣を求める声が上がっている。