アフガニスタン東部ナンガルハル(Nangarhar)州で、同国で影響力をもつ政治家を支持する複数の民兵が過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員4人を斬首し、頭部を公の場にさらした。当局者が27日、明らかにした。ISがアフガンでも活動を活発化させるなか、拍車がかかる残虐な争いを浮き彫りにした形だ。
パキスタンと国境を接する同州は情勢が安定せず、戦闘員の斬首は恐怖を引き起こすとともに非難の声もあがったという。
民兵たちはハジ・ザヒル(Haji Zahir)下院副議長に忠誠を誓い、過去数週間、ISを名乗る武装勢力と同州アチン(Achin)で戦闘を続けている。
ザヒル氏は4人の斬首について、IS側の戦闘員が先に拘束していた同氏側の民兵4人を斬首したことへの報復だと説明。「自分の首、息子の首を切られて、その相手にお菓子を作ってやろうと思うか」と記者団に述べた。
地元当局によると、民兵は頭部を、アチンの主要道路の脇に積み上げた石の上に置いたという。ある当局者は「彼ら(=戦闘員4人)が犯罪者だったのなら、不正規なやり方ではなく司法の裁きを受けさせるべきだった。こうした野蛮な行為は起きてはならなかった」と語った。
ナンガルハル州ではISに忠誠を誓う人物らによる脅威が高まっている。シリアとイラクにまたがる地域を支配するISはアフガンにも侵攻し始めており、旧支配勢力タリバン(Taliban)の勢力圏を脅かしている。