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青函に時速200キロ「貨物新幹線」検討 新幹線は東京まで最速3時間44分に

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コンテナの左右に「側壁」 風圧による荷崩れ防ぐ

 国土交通省とJR北海道、東日本、貨物の3社などは、コンテナを直接載せる方式で、最高時速200キロで走行できる新幹線仕様の貨物列車を開発し、3月開業の北海道新幹線新青森―新函館北斗間(約149キロ)に走らせる方向で検討を始めた。いわば「貨物新幹線」と言える構想。北海道新幹線の高速化が可能になり同区間の所要時間を18分短縮できる上、貨物輸送のスピードアップにもつながる。積み込むコンテナの左右に「側壁」を設けて対向車両の風圧を防ぐ。新年度以降、車両の開発を急ぎ、2020年代前半の実用化を目指す。

 導入を目指す貨物新幹線は、東北・北海道新幹線で使うE5系、H5系などの車両をベースに開発する。在来の貨物列車は線路幅1067ミリの「狭軌」だが、貨物新幹線は新幹線と同じ同1435ミリの「標準軌」とする。車両幅を広げることで、貨車上の左右に頑丈な側壁を設けることが可能になり、すれ違う際の風圧でコンテナが荷崩れする恐れを大幅に軽減できる。

 運行は5トンコンテナを約100個積める20両程度の編成とし、新青森側と新函館北斗側に建設する積み替え基地で、専用クレーンを使って「在来線」「新幹線」双方の貨物列車間でコンテナを積み替える構想だ。

 北海道新幹線は、青函トンネルなど約82キロに及ぶ在来線貨物との共用区間で、貨物の荷崩れ防止などの観点で、最高時速は当面、通常の260キロよりも遅い140キロに制限される。貨物新幹線導入後はこの速度制限も緩和され、新幹線は260キロ、貨物新幹線も従来の110キロより格段に速い200キロで走行できる。

基地建設費などで800億~1千億円

 これにより新幹線の新青森―新函館北斗間の所要時間は最短1時間1分から43分となり、東京―新函館北斗間は開業時の最速4時間2分から3時間44分になる計算。30年度までに予定される札幌延伸時も東京―札幌間を4時間台で結ぶことが確実となる。貨物新幹線もコンテナの積み替え時間を加えても、新青森―新函館北斗間の所要時間が2時間半から1時間40分程度に縮まる。

 新青森―新函館北斗間の貨物列車の高速化は05年度から、コンテナを載せた貨車ごと新幹線用車両に載せる「トレイン・オン・トレイン(TOT)方式」が本格的に検討されてきたが、台車部分の重量が大きすぎ、重心も高くなるなどの難点が指摘されていた。新方式の事業費は新幹線仕様の貨車開発や積み替え基地建設費などで800億~1千億円が想定される。

 国交省やJRは、こうした貨物新幹線構想とは別に、北海道新幹線の開業から2年後の18年春から、貨物列車とのすれ違いがない時間帯を設けて、共用区間も時速260キロで走行する最速新幹線を1日1往復だけ導入する方針だ。





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