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スウェーデン、難民流入で国境管理を厳格化 通勤客にも影響

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(ドイツのメルケル首相)


スウェーデン政府はこのほど、難民の大量流入を食い止める目的で、デンマークやドイツからの入国者に対して身元確認を義務付ける措置を導入した。

これまでスウェーデンには、デンマークとの国境を越えて列車や車やフェリーで自由に入国できていた。

しかし新規定では車や列車から降りて運転免許証やパスポートなどの身分証明書を提示することが義務付けられた。有効な身分証明書を所持していなければ入国は認められない。

4日にはこの影響で一部の通勤客などに遅れが出た。スウェーデンの自宅からデンマークの職場に通勤する人は1日に約7万5000人。ただ、心配されたような交通渋滞が発生したり、難民が大量に足止めされるなどの事態にはならなかった。

2015年のスウェーデンへの難民申請件数は前年の倍以上の16万件を突破。ピーク時には1日1万人以上が同国に押し寄せた。

このため政府は昨年12月、「公共秩序と国内の安全に対する深刻な脅威」をもたらしかねないと判断。国境での身元確認などを盛り込んだ法令を3年間の期間限定で導入した。

欧州に流入する難民の数は、トルコなどの欧州連合(EU)諸国が国境管理を厳格化したことや天候の悪化を受け、12月に入って激減していた。

ドイツ連邦警察によると、同国への難民申請者は1日当たり約3000人に減少。デンマークやスウェーデンを目指す難民はさらに少なくなっている。

それでもデンマークのラスムセン首相はスウェーデンの措置を受けて4日、ドイツとの国境で今後10日間、無作為に身元確認を実施すると発表。実施期間はさらに20日延長する可能性もあるとした。

一方、ドイツ外務省報道官は、シェンゲン協定に基づく欧州域内の自由な往来が、難民危機によって「危険にさらされている」との認識を示す。

国境管理の厳格化に踏み切ったのはスウェーデンにとどまらない。ドイツやオーストリアやフランスも、ここ数カ月で何らかの形の身元確認を導入していた。

スウェーデンとドイツはこれまで欧州に流入した難民の大多数を受け入れてきた。しかし両国とも大量の難民のための宿泊施設の確保といった支援策に苦慮。EU各国が分担して難民を受け入れるよう求めている。





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