中国山東省平邑県の石膏(せっこう)鉱山で昨年12月25日に起きた崩落事故で救援対策当局は23日、地下約220メートルの坑内に約1カ月間閉じ込められている生存の作業員4人を救出するためカプセルの装置を送り、1人ずつ引き上げる準備を進めていると発表した。
国営の中国中央テレビ局(CCTV)によると、カプセルには回転式のドアが付けられ、身長が約190センチの人間の収容が可能。地上との交信に必要な電話システムや非常事態時に備えた脱出口の装備もある。
救助対策当局によると、閉じ込められた坑内から作業員1人を地上に引き上げるのに要する時間は5分程度とみている。カプセルを送るのに必要な幅が広い穴の掘削作業を終え、安全対策を十分確認した後、救出作戦を開始する予定。
南米チリの鉱山で2010年に発生した崩落事故でも坑内に2カ月以上閉じ込められていた作業員救出にカプセル装置が使われていた。
山東省の石膏鉱山事故では作業員1人が死亡し、11人がこれまで助け出されている。坑内には17人がいるとみられているが、うち13人の所在は不明となっている。
中央テレビ局によると、鉱山の崩落現場周辺では坑内に通じる複数の穴が開けられ、食料や必要な物資などを作業員に送り届けている。