仏北部カレーのブシャール市長は23日、同市の港に難民ら数百人が乱入し、このうち50人が船に乗り込む騒ぎがあったと明らかにした。
CNN系列局のBFMTVによれば、35人が逮捕された。逮捕者のうち、24人が難民で、11人が難民支援を行っている活動家だという。
難民らは支援者らのデモ隊が見守る中、フェンスを破壊して港へなだれ込んだ。
英国のフェリー会社によると、この騒ぎでカレーと英南部ドーバーを結ぶフェリーの運航が約2時間にわたって停止。港自体も一時閉鎖された。
ブシャール市長はフェイスブックを通し、「難民支援をかたる者たちによるデモの本質は経済生活の妨害であることが、改めて証明された」と非難した。
この騒ぎに先立ち、カレー中心街では同日、難民支援を掲げる団体が当局の許可を取ってデモを展開。仏メディアによると約2000人が参加していた。
カレー近郊の大規模な難民キャンプでは、英国に不法入国しようとする難民らが推定で約6000人、劣悪な環境の中で暮らしている。仏当局は最近、貨物用コンテナに暖房や電気設備を備えた仮設住宅を用意し、キャンプからの移動を促している。