エジプトの首都カイロ(Cairo)の考古学博物館(Egyptian Museum)で展示されている古代エジプト王ツタンカーメン(Tutankhamun)の「黄金のマスク」のあごひげが雑に修復された問題をめぐり、博物館の職員8人が懲戒委員会にかけられることになった。当局が24日、明らかにした。
マスクのあごひげは2014年8月、照明修理のために博物館の職員が展示ケースから取り出した際に取れてしまい、慌てた職員らがエポキシ系接着剤で修復したが、つけすぎた接着剤が表面に見える形で固まってしまった。あごひげはその後、ドイツ人専門家らによる2か月にわたる修復作業を経て、マスク本体に再び取り付けられた。
司法当局関係者によると、この問題をめぐる調査の結果、当時の館長と修復責任者、修復専門家4人と職員2人が、歴史的遺物を取り扱う際に従わなければならない科学的規則や職業上の規則において「重大な過失と甚だしい違反行為」を犯したとして、臨時懲戒委員会にかけられることとなった。
ラピスラズリや半貴石がちりばめられた重さ11キロの黄金のマスクは3300年前、まだ少年だったツタンカーメン王が死去した際、副葬品として王の遺体に添えられたもので、エジプト考古学博物館が所蔵する至宝の一つ。