SMAP解散騒動がいまだ波紋を広げる中、テレビプロデューサーのデーブ・スペクターさんがジャニーズ事務所とテレビ局の関係に切り込み、インターネット上で称賛を集めている。
一連の騒動について、テレビ局は「パイプ」があるにもかかわらず独自取材を一切していなかったとし、「違和感がある」と問題提起したのだ。
テリー伊藤沈黙、西川史子は素っ呆け?
デーブさんがレギュラーとして生出演する2016年1月24日放送の「サンデージャポン」(TBS系)では、前週に引き続きSMAPの解散問題を取り上げた。
18日の謝罪会見によって一応の決着をみせたことから、この日はスタジオも和やかなムードに。辛口コメントでおなじみのテリー伊藤さんも「やっと落ち着きましたよね」と温かな感想を述べていた。
そうした中で「言っていいですか?」と、自ら口を開いたのがデーブさんだった。発言を促されると、こう切り出した。
「世間的に違和感があるのは、もう全部(報道しているのが)スポーツ紙か週刊誌だけなんですよ。日常的に(SMAPを)使っているからテレビ局が一番パイプあるのに、一切独自取材していないんですよ。そういった意見、声がたくさんあるのに、なんか違和感があるんですよね」
この発言を機に、スタジオには何とも微妙な空気が流れた。いつも舌鋒鋭いコメントを発するテリーさんですら、この時は沈黙。司会を務める「爆笑問題」太田光さんが「うーん...どういう...違和感?」とあいまいに反応すると、西川史子さんも「違和感?」と首をかしげて追随した。
しかしデーブさんは、テレビ局の不自然な報道姿勢をさらに追及した。
「だって全部スポーツ新聞が取材してるんですよ。これだけでかい芸能ニュースなのに。スポーツ新聞は直接関係ないんですよ、テレビ局が一番関係あるのに『自分達でこう調べました』が一切ないんですよ」
と続け、最後には「日本の芸能界と事務所とかテレビのあり方がすごく浮き彫りになっちゃった」として、大手芸能事務所とテレビ局の癒着にまで話を展開した。その表情は真剣そのもので、得意のダジャレも一切なしの熱弁だった。
「よく言ってくれました!」「とっても正論!」
これを受け、太田さんは「あぁー」と納得した様子をみせたのだが、杉村太蔵さんが「そんなことよりね!」と突然話を変えたため、結局、デーブさんの問題提起は特に触れられることなく流されてしまった。
デーブさんの言うように、日頃からドラマやバラエティー番組でSMAPを起用しているテレビ局ならば、取材するにはどのメディアよりも有利だ。そもそも早いうちから解散問題を認知していた可能性が高い。
しかし現実は「パイプ」が有効活用されることはなく、テレビ各局が進捗や裏事情を独自に取材して報じる動きはみられなかった。
各局の情報番組では、ジャニーズ事務所側と残留メンバーだった木村拓哉さんを持ち上げるスポーツ紙の記事を紹介するばかりで、取材といえば芸能レポーターに話を聞いたり「街の声」を集めたりする程度。つまり、話自体は視聴率のために取り上げるが、真相に迫ることは事務所との関係上「したくない」「できない」ということだろう。
こうした姿勢に対しては、インターネット上でも、
「テレビ局はあれだけ当事者に節操なく取材するくせに、SMAPのメンバーにも事務所の社長にもどの1社としてインタビューひとつすらしない」
「記事がきちんと取材してなかったり、煽り記事だったりって司会者や芸能レポーターやコメンテーターはわかってるよね」
「テレビが一番スマップに近いんやから、局内部とか関係者へ取材せーよ」
との不満の声がいくつも上がっていた。
それだけにデーブさんの発言には「よく言ってくれました!」「鋭い所を突いたな」「とっても正論!」といった称賛の声が相次いでいる。
夜回り先生「ジャニーズという名前だけで禁句」
ちなみに、テレビ局がジャニーズ事務所の顔色をうかがっていることについては「夜回り先生」こと水谷修氏も指摘している。
「白熱ライブ ビビット」(TBS系)や「ワイドスクランブル」(テレビ朝日系)のレギュラーコメンテーターを務めている同氏は20日のブログで、ジャニーズ事務所幹部や謝罪会見を放送したフジテレビを批判した上で、
「これを本当は、私が出ているテレビの中で発言できればいいのですが、テレビの世界では、ジャニーズという名前だけで禁句となる」
とつづっている。
(J-CASTニュース)