米海軍が就航させた最新鋭の沿海域戦闘艦(LCS)が昨年12月から今年1月にかけ、相次いで故障に見舞われて航行不能になった。
3億6000万ドル(約425億円)をかけて建造された全長約118メートルの「USSミルウォーキー(LCS5)」は、11月の試運転を経て12月にサンディエゴへ帰港する途中、米東海岸沖で故障が発生。バージニア州の海軍基地まで約60キロの距離を曳航(えいこう)された。
ミルウォーキーが航行不能に陥ったのは、艦内のろ過装置から見つかった金属片のためだった。この金属片のために、ディーゼルおよびガスタービンエンジンから推進装置へ動力を伝えるギアの潤滑油の圧力が低下したとみられる。
海軍報道官によれば、まだ原因は究明できておらず、調査を続けているという。
その1カ月後の1月12日、今度は姉妹艦の「USSフォートワース(LCS3)」がシンガポールの港から動けなくなった。
米太平洋艦隊によると、原因は「結合ギアの損傷」にあり、「左舷および右舷の主力推進ディーゼルエンジンの運用試験中、手順が守られなかったために損傷が起きたと思われる」と説明している。