台湾総統府は27日、馬英九総統が28日に台湾が実効支配する南シナ海・南沙(英語名・スプラトリー)諸島の太平島を訪問する予定だと発表した。
南沙諸島の領有権を主張するベトナム、フィリピンなど周辺国の反発は必至だ。台湾総統の同島訪問は2008年2月の陳水扁氏以来となる。
台湾当局は昨年12月に同島で埠頭(ふとう)や灯台の完成式典を行い、陳威仁内政部長(内相)らが出席した。馬総統も式典に出席する意向だったが、南沙諸島の領有権問題をめぐり緊張が続く中、米国が難色を示したため断念したとみられている。
馬総統は空軍のC130輸送機で同島を訪れ、島内を視察するとともに、2月の春節(旧正月)を前に駐在する政府職員を慰労する。馬総統の残り任期が4カ月を切る中、今回の訪問は「レガシー(遺産)」づくりの側面が強い。