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<スキーバス>「朝発」ツアー人気に拍車? 安全志向高まり

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長野県軽井沢町でスキーツアーの夜行バスが崖下に転落し15人が死亡した事故を受け、「短時間滑る手軽なプラン」と増加傾向だった朝出発のツアー「朝発」の人気に拍車がかかる可能性が出てきた。事故の原因は捜査中だが、夜行運転手の寝不足の問題は以前から指摘され、安全志向の高まりで、東京などの都心を早朝出る朝発ツアーは注目を集めている。

 「いつも利用していますが、今回は心配する親を『朝発』だから大丈夫と説得した」。早朝に東京駅を出て正午前、竜王スキーパーク(同県山ノ内町)に着いた神奈川県横須賀市の女子大学生(21)はバスを降りた。別の朝発ツアーでやって来た埼玉県久喜市の調理師の男性(21)は「学生のように時間がないので朝発を選んだ」と言い、さっそく母親に現地到着を連絡した。

 スキーツアーの多くは貸し切りバスで夜間出発し、日中いっぱいをゲレンデで過ごし、復路も夜行となるのが主流だった。しかし、観光業界専門紙のトラベルニュース社(大阪市北区)によると、5年ほど前から、朝発ツアーの人気が出てきたという。

 東京都内のスキーツアー大手では、時間帯別の取扱比率は朝6に対し夜4。この会社の担当者は「数時間だけ滑れれば十分というニーズが増えてきた」と話す。

 国土交通省の基準では、貸し切りバスの運転手1人が1日に運転できる距離は、昼間が夜間より2割以上長く、朝発ツアーは交代要員の人件費が浮く分、価格が安くなる。別のツアー会社「日本案内通信」(大阪市北区)は「朝発で行くスキー場は近場が多く手軽なのも魅力」と説明する。

 事故は14日午後11時に東京を出発したバスが翌日未明、軽井沢町にある国道バイパスのカーブで転落した。

 長野県警が原因を捜査中だが、2012年4月に群馬県藤岡市であった関越道ツアーバス事故では、乗客7人が死亡し、運転手は眠気を感じながら運転していたとされる。

 バス運行会社の間では「多数の死者が出る事故が続き、夜行は危険と思われてしまう」と懸念が広がっており、実際、あるツアー会社は「軽井沢の事故後、『バスの安全性はどう確保されているのか』と問い合わせがかなり来ている」と打ち明ける。トラベルニュース社の奥坊一広社長は「スキー人口が比較的多い団塊世代も夜行は体力的にきつく朝発が人気だ。明るい時間の方が安全なイメージがあるし、事故の影響で朝にシフトする可能性は大いにある」と指摘している。




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