一度は警察から逃走した2人の男たち。森の中に姿を消すはずだったのだが…。米メディア『abc10.com』が間抜けな男たちの話題を伝えている。
今月22日、米カリフォルニア州エルドラド郡の保安官が、車に乗っていた怪しい2人組を呼び止めた。しかし男たちは車を放棄し、雪深い森の中に姿を消してしまう。残された車の中からは違法な薬物が発見され、後の調べで2人は仮釈放中のトリストン・クロスランド(30)と執行猶予中で累犯の被告人デリック・ディオノ(32)と判明する。
男たちが逃げ込んだのは、シエラネバダ山脈のふもとにある険しい森の中だった。逃走から2時間後、2人は米国フォレストサービスの職員に発見され、戻るように説得されたものの再び森の奥へ。前科がある男たちゆえ、市民ボランティアの助けを借りることができなかったエルドラド署はSWAT(特殊火器戦術部隊)を出動させたが、凍りつくような寒さと厳しい地形に阻まれ捜索は難航する。
そして午後8時40分、新たな展開があった。エルドラド署は逃亡者の1人、クロスランドから助けを求める911コールを受けたのだ。死の危険を感じての行動であろうが、逃亡犯が救助を求めるとは前代未聞である。さらに12時間以上が経った翌朝の9時過ぎ、2人は無事救助された。ひどい低体温症で憔悴しきっており、凍傷の可能性もあったため病院で手当を受けたが、その後御用となった。
エルドラド署の保安官は、会見で「拘置所の部屋をあんなに嬉しがる者は見たことがありません。よほど寒かったのでしょう。ここは雪もなく暖かいですからね」と語っている。何とも間抜けな男たちであったが、生きて帰れたことは不幸中の幸いである。