面白半分に行った迷惑行為を、自らのツイッターで公開する「バカッター」行為。今回は、コンビニ店内のアイスの販売ケースで不衛生な行為に及んだ写真を投稿するユーザーが登場した。一部のニュースサイトがその内容を伝えたことで、ネットは「炎上」状態となっている。
2016年も続出する「バカッター騒動」。SNSに不適切な画像を投稿する若者が後を絶たない理由について、専門家は「仲間との関係性の中で容認されていた行為を、そのままの感覚でSNSに投稿してしまう若者が多い」と指摘する。
「バカは本当にどうしようもねえな」「徹底的に潰せ」
「こいつクレイジーすぎ」。あるツイッターユーザーが2016年1月24日、こんなコメントを添えて「バカッター写真」を公開した。投稿者を含む何人かの高校生が、コンビニ店内のアイスの販売ケースに入って寝転がったり、ケースの中に顔を突っ込んでいる姿を撮影したものだ。
こうしたトラブルが発生したのは、山梨県内のファミリーマート店舗とみられる。同社の広報部はJ-CASTニュースの26日の取材に対し、「初めて聞きました」と答えた。記者が事情を説明すると、「事実関係を確認した上で連絡します」としたが、27日20時時点で回答はない。
また、本人のツイートを遡ると、ほかにも数々の迷惑行為を行っていることが分かった。ゲームセンターのプライズゲームの筐体を大きく傾けて不正に商品を獲得しようと試みたことや、友人らと数万円単位の賭博行為に及んだことをツイッターで「報告」しているのだ。
問題のアカウントは非公開状態になっており、現在はツイートの内容を確認することはできない。だが、一部のニュースサイトがその内容を詳細に伝えたことで、ネットは「炎上」状態になってしまった。掲示板などには、「バカは本当にどうしようもねえな」「徹底的に潰せ」といった過激な意見が寄せられている。
「想像力の欠如」が大きな理由
しかし、こうした不適切な画像をツイッター上に公開し、今回のように「炎上」してしまう若者はなぜ後を絶たないのだろうか。2016年に入って1か月と経たないうちに、すでに「地下鉄で下半身露出」「堀北・山本夫妻の新居をツイッターで報告」「登別のホテルの食器洗い場流しで入浴」など、多くの「バカッター案件」が世間を騒がせている。
日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事の萩原栄幸氏は、IT系ニュースサイトの「ITmedia」へ14年に寄稿したコラムで、こうした若者が後を絶たないのは「想像力の欠如」が大きな理由だと指摘する。
荻原氏によれば、感性を共有できる仲間との関係性の中で容認されていた行為を、そのままの感覚でSNSに投稿してしまう若者が多いのだという。今回のケースでいえば、「アイスケースへの侵入」も、投稿者の仲間内ではある意味で「笑い話」として捉えられていたということだ。
だが、こうした投稿がネットに公開され、第三者の目にとまると、純粋な「迷惑行為」として問題視される。その結果、一部のネットユーザーによって「炎上」させられ、個人情報がネットに拡散されてしまう。
つまり萩原氏は、若者は自らの行為を「世間」がどう捉えるかを想像できないため、「バカッター行為」が無くならないのだと分析している。その上で、萩原氏は、こうした意識は「本来は学校や家庭で教えるべき事柄」だとも指摘している。