スノーケラーやスキューバダイバーにしか行けない海中美術館「アトランティック美術館」が、欧州で初めてスペインのランサローテ島沿岸に建設されている。
美術館があるのはユネスコの生物圏保護区に指定された同島のラスコロラダス湾の海の底。アーティストのジェイソン・デカイレス・テイラーさんが制作した約300体の彫刻を、深さ12~15メートルの海底に沈める作業が始まった。
デカイレス・テイラーさんは、カリブ海のバハマやメキシコのカンクンなどでも海中美術館のプロジェクトを手がけてきた。海洋問題への認識を高めてもらう目的で、環境に優しいコンクリートを使って人々の日常生活を再現した彫刻を制作している。彫刻はいずれ人工の岩礁となって、魚介類に繁殖の場を提供する。
スペインの海底に並ぶ作品は、写真を自撮りするカップルを描いた「コンテント」、海底を行進する35人の人物で構成される「ルビコン」など。美術館は2017年に一般公開予定。