ドイツ西部ケルン市でカーニバルの模様を実況中継していた女性のテレビ局記者が見知らぬ男たちに背後から首筋にキスされたり、体を触られる被害を受けた。地元警察は容疑者の行方を追っている。
同市では昨年の大みそかに難民申請者を含む男の集団による多数の女性を狙った性的暴行や強盗事件が発生し、ドイツ政府の難民受け入れの是非も含めた論議を引き起こしていた。地元警察は年恒例のカーニバル開催をにらみ、配備の警官数を増やすなどして警戒を強化していた。
被害を受けた女性記者は、容疑者にはドイツ語をしゃべる欧州系の若い男も含まれていたと証言している。
ケルンで4日に開幕したカトリック教関連の祭典は「女性のカーニバル」と呼ばれ、数万人規模が集まるとされる。ただ、実態は飲酒などする路上パーティーを楽しむ趣向となっている。
女性記者はベルギーのCNN系列局RTBFのためカーニバル開幕日に街頭から実況中継していた。同記者によると、この際に3人の男が背後から近寄り、ひわいなポーズを取ったり、女性の首にキスし、性的な誘いの言葉も吐いた。
うち1人が胸を触った際、女性は我慢し切れなくなり、男たちに向き合い、英語で「二度と私に触れないで」と叱責したところ、男3人は立ち去ったという。
RTBFは問題のビデオ映像を再放映しないことを決めたが、関連の写真2枚を公表した。また、捜査支援でケルンの警察に刑事上の苦情を申し立てた、との声明を出した。
女性記者は被害を受けた後も仕事をこなし、ケルンの市長府は同テレビに謝罪したという。