サウジアラビアが過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦として、シリアへ地上軍を派遣する用意があると表明したことに対し、サウジと敵対するイランの司令官は6日、同国に「勝ち目はない」と批判した。
イランの政府系ファルス通信によると、革命防衛隊のジャファリ司令官は首都テヘランでの記者会見でサウジの派兵表明に言及し、「そんなことはできないだろう」と批判。「サウジの持つ古典的な軍隊で非正規の抵抗勢力に勝てる見込みがないことは、歴史が証明している」「サウジにとってとどめの一撃になる。ほかに方法がないようだが、そうだとすれば失敗する運命だ」と主張した。
サウジとイランはそれぞれイスラム教スンニ派、シーア派の盟主を自認し、長年対立してきたが、昨年来のシリア内戦で緊張がさらに高まっている。シリアのアサド政権を支持するイランに対し、サウジは反体制派に資金や武器を提供している。
サウジのアシリ国防相顧問は4日、対ISIS掃討作戦の一環としてシリアへ地上軍を送る用意があると述べていた。