春節を迎えた香港・九竜地区の繁華街、旺角(モンコック)で9日未明、暴徒化した若者らと警官隊が衝突し、多数の逮捕者や負傷者が出ている。
衝突は、路上でフィッシュボールなどを売る屋台を当局が撤去させようとしたことが発端となって発生。英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、警官に対してレンガや瓶を投げつけるデモ隊に対し、警官隊が催涙ガスを使用し、2度の威嚇射撃を行った。
警察は、「手製の武器と盾を持った過激派が警察と衝突した」「制御できなくなり暴動になった」と述べ、警官が暴徒に襲われて身の危険を感じたことからやむなく応戦したと説明している。
その後の声明で警察は市民らに対し、現場からの退去と自制を求め、警察の指示に従うよう呼びかけた。
現場では夜が明けてもゴミ箱が燃え続け、100人あまりが集まって、一部が歩道のレンガをはがして警官に投げつけるなどした。警察によると、この衝突で24人が逮捕され、警官48人が負傷した。
影響で地下鉄は現場近くの駅での停車を一時的に見合わせたが、数時間後には通常運転を再開した。
フェイスブックやツイッターでは「フィッシュボール革命」のハッシュタグで衝突の様子が伝えられ、市民に銃を向けているように見える警官を映したテレビの映像や、警官隊とにらみ合うデモ隊、はがされた歩道のレンガなどの写真が投稿されている。
香港では2014年の民主化デモで、学生が中心となって11週にわたって道路を占拠した。今回のデモに参加したのもほとんどは若者だったが、民主化運動との関係は分かっていない。