台湾南部を襲った地震で集合住宅が倒壊した問題で、司法当局は9日、不動産開発会社の元幹部3人を逮捕した。地震による死者は少なくとも40人に上り、発生から4日たった今も100人以上が行方不明になっている。
台南市にある17階建ての集合住宅は、6日に起きたマグニチュード(M)6.4の地震で倒壊した。逮捕されたのは不動産開発会社の会長だった男など3人で、業務上過失致死の疑いが持たれている。
倒壊した集合住宅では重機を使ってがれきを取り除く作業が9日から始まり、住人の家族などが不安そうに作業を見守っている。兄弟と連絡が取れなくなったという男性は、「まだ希望は捨てない」とつぶやいた。
発生から約72時間後には8歳の少女とそのおばが救出されたが、消防当局によれば、がれきの中にはまだ103人が取り残されているという。
集合住宅は台南市の人口密集地にあり、飲食店や寺院などに緊急対策センターが設置されて食事や避難場所を提供、ホテルは自宅を失った被災者を無料で宿泊させている。
ただ、大きな被害が出たのはこの集合住宅のみで、周辺の建物はほとんどが被害を免れた。その理由について中央通信社は、安く建てられたもろい構造の建物だった可能性があると伝えた。
建材にブリキ缶が使われているのも発見され、建設会社による手抜き工事を疑う声も出ている。