(それぞれの党で予備選を制したサンダース氏(左)とトランプ氏)
(共和党の2位争いはジョン・ケーシック・オハイオ州知事に軍配が上がった)
米大統領選に向けた候補指名争いの第2戦、ニューハンプシャー州予備選で、民主党のバーニー・サンダース上院議員と共和党の実業家ドナルド・トランプ氏が相次いで勝利を宣言した。共和党ではジョン・ケーシック・オハイオ州知事の2位が確実となった。
トランプ氏は満面の笑みを浮かべてステージから勝利の合図を送り、「我々の力で米国は再び偉大な国になる」と宣言した。
トランプ氏はまた、CNNとのインタビューで「報道をみると、老若男女のあらゆる層で支持されているのがとてもうれしい」「全カテゴリーでの勝利は最大の栄誉だ」と語った。
出口調査によると同氏の得票率は30%を超えたとみられ、高卒と大卒、保守派と穏健派、共和党登録者と無党派層などの区別にかかわらずトップに立っている。
ただし、直前まで意中の候補を決めていなかった約半数の投票者に着目すると、トランプ氏とケーシック氏の間で票が割れたのが分かる。またニューハンプシャー州では、トランプ氏の数少ない弱点とされるキリスト教徒福音派の割合が前回のアイオワ州に比べてはるかに小さい。
サンダース氏は支持者らの前で「今夜我々が送り出したメッセージはウォール街からワシントンまで、メーン州からカリフォルニア州まで響き渡るだろう」と述べた。
民主党のヒラリー・クリントン前国務長官は、サンダース氏への敗北を認める演説を行った。その中で「これから全米で選挙戦を展開する。全ての州で一票でも多く勝ち取るように戦っていく」と表明。「国民は解決策に飢えている」と語り、ウォール街を抑制する現実的な方法を「私は知っている」と、サンダース氏の理想主義を暗に批判した。
共和党の2位争いは、主流派勢の接戦をケーシック氏が制した。ただ指名争いの次の舞台となる大票田の南部諸州では、トランプ氏や初戦のアイオワ州を勝ち取ったテッド・クルーズ上院議員の優勢が伝えられている。
ニューハンプシャー州では民主、共和両党とも非主流派が勝利したことから、どちらの有権者も既存の政治家に大きな不満を抱いていることがうかがえる。両党の指名争いは春以降まで続く長期戦となる見通しだ。