カトリック教会のローマ法王フランシスコとロシア正教会のキリル総主教が12日、キューバの首都ハバナの国際空港で会談した。
1054年にキリスト教会が東西に分裂して以降、両教会トップの会談は初めて。会談後、キリスト教発祥の地を含む中東の安定などを求める共同宣言を発表した。
共同宣言は「我々は競争相手ではなく、きょうだいだ」と強調。1000年近い分裂状態を克服して「再統合」も視野に協力する準備ができているとした。
両トップはまた、「中東や北アフリカの多くの国で、我々のきょうだいたちが殺害されている」と訴え、イスラム過激派組織「イスラム国」などによるキリスト教徒迫害に対する懸念を表明した。国際社会に対し、暴力とテロの根絶を求めていく考えを示した。
会談は、ロシアとの関係が深く、米国との国交正常化交渉でローマ法王の支援を受けたキューバが取り持つ形で実現した。