米空軍は13日までに、F16型戦闘機1機が過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の支配地上空で作戦遂行中、燃料切れや緊急脱出の危機に直面したが、近くの空域にいた米軍の給油機が随伴飛行して15分ごとに給油し、同盟国領空まで送り届ける救出劇があったと報告した。
給油機KC135は任務の空域から外れてF16機を助け出していたもので、空中給油飛行大隊司令官はその機転の利かせぶりを称賛した。F16機は基地に無事に帰還していた。
この緊急事態は昨年起きていたもので、戦闘機の操縦士が機外へ脱出した場合、ISISに捕まり、殺害される可能性もあった。ISISは昨年初期、拘束した米軍主導の有志連合の一員であるヨルダンの空軍機操縦士を檻(おり)に入れ、焼き殺したと見られる映像を公開していた。
給油機の救出が起きた国やF16機の所属国は明らかにされていない。ISISはイラクやシリアなどに主要拠点を持つ。有志連合はISIS拠点への空爆を続けている。
米空軍の報道発表文によると、F16機は最初の空中給油で500ポンドしか得られず離脱。KC135が想定していた給油量の5分の1しか供給出来なかった。F16機の操縦士が2回目の空中給油も失敗した後に機器など点検したところ、燃料システムの不具合を発見し、給油機に連絡した。
米空軍によると、同戦闘機の燃料装置は通常の8割余りが機能せず、最大15分の飛行で燃料を使い果たし、操縦士は機外への脱出を強いられる事態も予想されていた。
KC135はトラブルを抱えたF16機が接近してきた際、空爆作戦に参加する対地攻撃機A10編隊を支援していた。同戦闘機を助けた後、その日に残っていた通常任務をこなしたという。
有志連合によるISIS拠点へのこれまでの空爆回数は今月10日の時点で計1万242回に達していた。