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「幽霊船団」で自然が復活、1次大戦の歴史眠る 米マローズ湾

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米東部メリーランド州を流れるポトマック川沿いのマローズ湾に、「幽霊船団」がある。船の多くは第1次世界大戦で連合軍を助けるために建造されたもので、使われないまま廃船となり、沈められた。

1世紀近くがたった現在、腐った船体やさびついた船首は自然に覆われている。かつて船員や乗客が立っていた場所は今、動植物であふれかえっている状況だ。

チェサピーク保護機構の最高経営責任者(CEO)、ジョエル・ダン氏は「ここは本当に素晴らしい野生生物のメッカになった」と話す。かつての艦船は、ミサゴやサギ、コウモリの巣と化した。

マローズ湾を大切にしているのは地元住民だけではない。この場所は現在、ウィスコンシン州のミシガン湖とともに、米海洋大気局(NOAA)が指定する保護区の候補にあがっている。

オバマ米大統領は昨年10月、候補地を発表。海洋保護区の候補が公式に指定されたのは、2000年以降では初めてだ。もし実現すれば、マローズ湾は現存する14カ所の保護区に加わることになる。

保護区指定に向けた動きを後押しする海洋考古学者のドン・ショメット氏は、静かな自信をみせる。NOAAの当局者をこの場所に連れてきたときは、目の前に光景に驚いていたという。マローズ湾では約36平方キロの場所に、考古学上の記録に残る廃船が185隻あり、歴史的な船が集まる場所としては西洋でも有数だ。

ショメット氏にはマローズ湾の「幽霊船団」についての著書がある。愛着を持つようになったきっかけは、1950年代に父とキャンプに来たときのことだ。

ショメット氏は「自分はまだ10代になったばかりだった」と当時を振り返る。南北戦争時代からある埠頭でキャンプをし、夜はゴースト・ストーリーを聞かされた。翌朝になると、川は霧に包まれていた。

「川を下るとある船夫に会った。君たち幽霊船団を見に行くのかいと聞かれた。背筋が凍りそうになった」と述懐。10分ほどすると、霧の中から船首が立ち現れてきた。若い頃の忘れられない思い出だ。

シュメット氏は数年後、この場所の調査に着手。南北戦争時代の密航船の存在を突き止めた。1928年に建造され、第2次世界大戦で就役した「アコマック」もここに眠っていた。




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