米フロリダ州の大学教授は14日までに、同州の大西洋岸などに位置する一部の海岸沖に数千匹単位のカマストガリザメが押し寄せていると報告し、警戒を促した。人気の海岸も含まれているという。
米海洋大気局(NOAA)によると、同州で発生するサメに噛(か)まれるなどの被害の大半はこのサメに起因するが、死亡するなどの致命的な被害の事例は過去になかったとしている。
同州のフロリダ・アトランティック大学のスティーブン・カジウラ生物学教授は12日朝、パームビーチ沖に集結している場面のビデオ撮影に成功。同教授はマイアミビーチ周辺でサメの存在を初めて見付けた今年1月15日からサメの移動の追跡調査を開始していた。
カマストガリザメの群れの移動経路を把握するため航空機に乗って上空からも観察している。地元のCNN系列局WPECの取材に「文字通り、海岸から石を投げれば届く範囲に数万匹単位がいる」とも述べた。
このサメは冬季に水温が高い海域を求めて大西洋沿岸沖を移動する。繁殖の時期とも合致している。同教授は今回の移動について、大半はパームビーチからシンガーアイランドもしくはジュピターインレットまでの沿海にいると説明した。
移動パターンをさらに詳しく調べるため一部のサメに識別のマークを付けることも計画している。
カマストガリザメはひれの先端部分が黒いのが特徴で、サウスカロライナ州からテキサス州までの間の水温が高い沿岸でよく目撃される。エサは魚、エイ類やイカで、漁船の後を追い、船から投げられる死んだ魚を狙うことでも知られる。