オバマ米大統領が来月、キューバを訪問する。複数の外交関係者が１７日に明らかにした。ホワイトハウスは１８日にも正式発表する見通し。
米国は２０１４年末、半世紀にわたって対立してきたキューバとの正式な国交回復に向けて動き出した。キューバの首都ハバナでは昨年８月に米大使館が再開され、米国旗が掲揚された。以後、ケリー国務長官やフォックス運輸長官など米政府高官が相次いで同国を訪問している。
渡航制限は緩和され、経済関係も復活。オバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長は昨年春、パナマで初の会談に臨んで歴史的握手を交わした。
今回のキューバ訪問により、米国の敵だった相手との外交関係樹立がオバマ大統領の確かな実績として印象付けられる。
これまで厳しく規制されていた米国人のキューバ訪問は、文化交流や人道プロジェクトなど幅広い目的の渡航が認められるようになった。ただ、純粋な観光目的の渡航は、米議会でキューバ制裁が解除されない限り認められない。
議員の間では、表現の自由が認められていないことなどを理由に制裁解除に反対する声も根強い。ホワイトハウスはキューバについて、オバマ大統領の訪問前に人権問題への対応を示す必要があるとの見解を示した。
当局者によると、オバマ大統領はキューバ訪問中に、コロンビア政府と左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍（ＦＡＲＣ）との和平協定調印に立ち会う可能性もある。オバマ大統領がまとめた予算案には、協定を実現させる目的でコロンビア政府に対する４億ドル（約４５５億円）の拠出が盛り込まれている。