ニューヨークに住むライリー・フラハティさんが財布をなくしたのは数週間前のこと。ブルックリンで行われたロックバンド「ウィルコ」のコンサートに行った時で、中に入っていた身分証やクレジットカード、現金はもう2度と帰ってこないものとあきらめていた。
だからフラハティさんはすぐにクレジットカードを止めて運転免許証の再発行手続きをした。ところが10日ほど経って、免許証などが手書きのメッセージとともに郵送されてきた。
フラハティさんはこの手紙の画像を写真共有サイトのインスタグラムに投稿した。手紙にはこう書かれていた。
「あなたの財布を見つけました。運転免許証に住所が書いてあったので、クレジットカードや大事なものを送ります。現金はタバコが必要だったから、メトロカードは地下鉄の料金が2.75ドルに値上がりしたから、財布は格好よかったので頂きます。よい1日を。さようなら。匿名希望より」
フラハティさんはCNNの取材に対し、最初は差出人の名前のない手紙に恐怖を覚えたと述べた。
「ぞっとした。この人はどこに私が住んでいて、どこで手紙を受け取るか知っているのだから。私のすべてを知っているんだ」
手紙の写真を投稿したことで、フラハティさんの1件は世界各地のメディアから大いに注目を集めることになった。
「善行を積もうとして50%くらいまでは来たものの、ただし書きの付く状態で終わってしまったという、ちょっと面白くてニューヨークらしい話だと世間の人は思うのだろう」とフラハティさんは語った。