皇族や上級貴族出身の僧侶が住職を務めた門跡寺院・実相院(京都市左京区)の歩みを貴重な所蔵資料で紹介する「実相院門跡展―幽境の名刹(めいさつ)―」(京都新聞など主催)の内覧会が19日、中京区の京都文化博物館であった。
江戸中後期に活躍した狩野派の絵師による障壁画が華やかだ。「群鶴図襖(ふすま)」は並べて見せることで、群れて舞う鶴の躍動感が際立つ。「花鳥図襖」は力強い筆致の木や岩と、梅やボタンといった花々のあでやかさが一体となって目を引く。
実相院の草創期にあたる鎌倉時代の作とされる木造不動明王立像や、足利将軍家から厚く保護されていた状況などを記し、昨年に京都市の文化財に指定された中世の文書など約80点を公開する。坊官が記録した業務日誌「実相院日記」には、かつて岩倉具視が岩倉村(現・左京区岩倉)で暮らした旧宅の図面も残る。20日~4月17日まで。月曜休館(祝休日は開館、翌日休館)。有料。古文書や襖絵などは前期(3月21日まで)と後期(同23日から)で入れ替える。