(DHL本社ビル)
太平洋の島しょ国パラオで、違法薬物密売容疑で勾留されていた国際流通大手DHL創業者の息子が19日、勾留先の刑務所から脱走した。司法関係者が述べた。
DHLの創業者、ラリー・ヒルブロン(Larry Hillblom)氏の息子のジュニア・ラリー・ヒルブルーム(Junior Larry Hillbroom)容疑者は、覚せい剤のメタンフェタミン160グラムを所持していた容疑で逮捕された。訴同容疑者は違法薬物密売の罪で、禁錮25~50年の刑が科される可能性があったという。
18日に裁判所に出廷したヒルブルーム容疑者は、裕福であることと逃亡の恐れがあることから、保釈の条件として50万米ドル(約5600万円)の保釈保証書または25万ドル(約2800万円)の保釈金を設定された。だが、パラオ最高裁判所からコロール(Koror)刑務所に連れ戻された同容疑者は19日、刑務所から脱走した。
司法省の声明によると、ヒルブルーム容疑者は刑務官事務所内で来訪者と話している際、正面玄関から突然走って逃げだし、刑務所の外に止めてあった白のピックアップトラックの助手席側に飛び乗った。
警察官が同容疑者を追いかけ、トラックが走り去るのを阻止しようとしたが、この警察官は負傷したという。トラックの運転手とされる容疑者は19日に逮捕されたが、ヒルブルーム容疑者の行方は分かっていない。