インド政府は18日、国内の一流公立大学20校に対し国家の団結を促すために国旗掲揚を義務付けた。一方、首都ニューデリー(New Delhi)などでは学生自治会委員長の逮捕に抗議する学生たちによる大規模なデモが行われた。
ニューデリーの名門ジャワハルラル・ネール大学(Jawaharlal Nehru University)で学生自治会委員長を務めるカンハイヤ・クマル(Kanhaiya Kumar)さん(32)は12日、デモ行進で反国家的なスローガンを叫んだとして警察に逮捕された。
これに対し、18日にはニューデリーで学生ら約5000人が「クマルを釈放せよ」「国家によるテロリズムを打破せよ」などと叫びながら市中心部を行進。インドでの学生による抗議運動としては、ここ数年来では最大規模のものとなった。コルカタ(Kolkata)など複数の都市でもクマルさんとJNUへの連帯を示すデモが行われた。
クマルさんは右派が掲げるナショナリズムを公に批判してきたため、クマルさんの逮捕には政権批判を抑え込む目的があるとデモ参加者らはみている。
デモ参加者の1人はAFPに「われわれが今日、ここに集まったのは人権と言論の自由を守るためだ」と述べ、「政府は国民を反国家的だと決めつけて刑務所に入れることはできない」と批判した。