キャメロン英首相は21日までに、英国が欧州連合(EU)から離脱するか残留するかを問う国民投票を6月23日に実施すると発表した。
キャメロン首相は19日の記者会見で、EU首脳陣と交渉した結果、英国が残留のために求めていた改革で合意に達したと報告。「EUから離脱すれば我が国の経済と安全保障が脅かされる」として、残留を呼び掛けていた。
オズボーン財務相もまた、離脱には重大なリスクがともなうと警告している。
一方で残留に反対する声も根強く、与党・保守党の内部でも意見が割れている。
ゴーブ司法相は20日、英国はEUから離脱した方が「より自由、公正で豊かな国になる」と主張。自身の信条を優先するため、あえて首相に背く決断を下したと述べた。閣僚のうち少なくとも4人は離脱派に回る見通しだ。
キャメロン首相は2013年から、EUとの関係を再交渉したうえで国民投票にかけると表明してきた。
国民投票で残留が承認される保証はない。中東や北アフリカから歴史的な数の移民が欧州などへ押し寄せるなか、英国民が雇用や国家アイデンティティーへの脅威を感じ、門戸を閉ざして「独自の道」を選ぼうとする可能性も指摘されている。