米軍がリビア北西部サブラタにある過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の訓練施設に加えた空爆で、セルビアのダチッチ外相は21日までに、サブラタで昨年11月に拉致されていた駐リビアのセルビア大使館職員2人が死亡した可能性があると述べた。
米国防総省のクック報道官は2人のセルビア人人質が死亡したとする情報は承知しているが、空爆が原因であることを示唆する情報は現段階で得ていないと述べた。
同報道官は空爆に先立ち、標的となった施設を数週間にわたって監視していたが、空爆決行の段階で民間人がいるとの形跡はなかったと指摘。その上で2人の死亡時の状況は不明としながら、セルビア政府と犠牲者の遺族に深い哀悼の意を表すると述べた。
ダチッチ外相によると、死亡したとみられるのは通信担当職員と運転手の2人。セルビア外務省の報道担当者は2人の死亡の有無についてリビア当局の公式な確認を待っていると述べた。また、2人が監禁されていたとみられる場所を空爆したとの連絡が米国防総省から入っていたことを明らかにした。
サブラタの自治体首長によると、19日の空爆では少なくとも49人が死亡。がれきの下に埋もれている被害者もいるとみられ、死者が増える可能性もある。負傷者は6人とされる。米ホワイトハウスのアーネスト報道官は空爆でチュニジア出身のISIS幹部も死亡したとみられると述べていた。