3月3日のひな祭り前後に出る学校給食の定番献立メニューの一つ「三色ゼリー」のルーツが京都にあり、味が2種類あることがわかった。
「三色ゼリー」は、ヤヨイサンフーズ(東京都)が製造する冷凍食品。ひなまつりに飾られる「ひし餅」を模した赤・白・緑の三層のゼリーで、全国の学校給食で使われている。
ネット上では、「三色ゼリーが懐かしい」という京都出身者の意見が多く見られるほか、京都生協では例年この時期限定で三色ゼリーを全店で取り扱うなど、京都で高い人気を誇る。
生協二条駅前店(中京区)では現在、エンド台にぎっしり、3つ入りのパックが積まれている。同組合商品部の担当者によると、今年は宅配と店舗用合わせて4万パックを仕入れたという。「この時期、ほかのアイスクリームを押さえて三色ゼリーが一番売れている」と同担当者。
製造元であるヤヨイサンフーズに、三色ゼリーが京都で人気の理由や開発の経緯を聞いた。
三色ゼリーは「ヤヨイ食品」(静岡県)が45年前の1971(昭和46)年に京都の学校給食用に開発(ヤヨイ食品は、2014年に「ニチロサンフーズ」と合併)。当時の担当者がいないため正確な情報かは定かでないが、「京都市の担当者と一緒に作った」という話も伝わっているという。発売当初は六弁の花びら型で、37年前の1979(昭和54)年に現在の形になった。赤はりんご、白はヨーグルト風味、緑はメロン味。
実は、この味は京都生協と京都市内の学校向けの限定版。京都市以外の全国で給食用に流通している物はNB(ナショナルブランド)品で、赤はイチゴ味、緑はメロン味のゼリー、白は豆腐という。
広報担当の皆川麻衣子さんは「京都でスタートした商品ということで、京都生協や京都市の学校給食用には発売当初の味で作り続けている。懐かしく感じていただいているようでとてもうれしい。引き続きご愛顧をいただければ」と話す。