神奈川県厚木市で27日未明、指定暴力団山口組の関係先の建物にトラックが突っ込んでいたことが28日、分かった。27日夜には埼玉県内の神戸山口組系組幹部の自宅で銃弾が撃ち込まれたような痕が見つかったほか、東京都内では神戸山口組系組員が複数の男から暴行を受けていたことも判明。警察当局は山口組の分裂をめぐる抗争事件の可能性もあるとみて警戒を強めている。
神奈川県警によると、27日午前5時半ごろ、厚木市妻田東で山口組3次団体の関係先のシャッターや壁の一部が壊れているのを巡回中の警察官が発見した。
約400メートル離れた路上で、盗難された2トントラックが放置されているのも見つかり、県警は周辺の防犯カメラの映像などから、このトラックが同日午前3時45分ごろ、シャッターに突っ込んだと特定した。
同日午後9時20分ごろには、埼玉県八潮市西袋の住宅街で「発砲音がした」と通報があり、駆けつけた警察官が、神戸山口組系組幹部(67)の住宅の外壁に弾痕のようなものが複数あるのを発見した。けが人はいなかった。
さらに、約2時間半後の同日午後11時45分ごろ、東京都足立区花畑の団地敷地内で、神戸山口組系の50代の組員が車から降りたところ、複数の男に暴行を受けた。警視庁によると、組員は2カ月の重傷を負ったという。
警察当局は、神奈川県内で狙われた山口組が、埼玉県と東京都で神戸山口組に報復した可能性もあるとみて関連を調べている。