全国初となる外国人向けタクシーの専用乗り場が1日、京都市下京区のJR京都駅烏丸口駅前広場にオープンした。実証実験として来年3月末まで約1年間設けられ、外国語や接遇の研修を受けた運転手の乗るタクシーが待機する。国際観光都市・京都の一層の「おもてなし」向上につながるか注目される。
市や国土交通省近畿運輸局、京都府タクシー協会などでつくる実行委員会が開設した。市などが昨年、京都を観光で訪れた外国人を対象に行ったアンケートによると、日本でタクシーを利用した経験者は約4割にとどまっている。外国人が安心して利用できる環境を整え、潜在的な需要や、利用増に向けた課題を把握するのが狙いだ。
専用乗り場(9台分)は、烏丸口駅前広場にある一般タクシー乗り場の東側で、午前9時から午後5時まで開設。実行委が「フォーリンフレンドリータクシー」として認定した23社・組合の69台がこの乗り場を拠点に営業する。担当の運転手87人は英語や中国語を話せたり、翻訳アプリの入った携帯端末を使いこなせたりする。車両には専用のあんどんも取り付けられている。
出発式で門川大作市長が「実証実験を経て本格的な取り組みに発展させたい」と述べた。大きな荷物を持った外国人たちが、さっそく専用乗り場からタクシーに乗り込み、京のまちなかへ向かった。