宮廷や町衆の生活文化をいまに伝える「ひな人形」が、京都市東山区の京都国立博物館で展示されている。江戸時代を中心にひな人形の歴史を紹介している。
春の特集陳列「雛(ひな)まつりと人形」では、同館が所蔵するさまざまなひな人形を時代ごとに並べた。上巳(じょうし)の節句で、人間のけがれを託して流した人形から、徐々に座敷に飾るひな人形へ変わっていった変遷が分かる。
豪華な「御殿飾り雛」がひときわ目を引く。ミニチュアの御殿を表した飾りで、付属の道具が精緻に作られている。台所(おくどさん)を表した調理道具も上方の飾りならではの特徴という。ほかにも初期の形式の「立雛」や公家の衣装の「有職雛」、町方で流行した「享保雛」など多彩なひな人形を楽しめる。
声優の三森すずこさんと戸松遥さんが案内する特別音声ガイド(700円)もある。21日まで(月曜休館、21日は開館)。有料。