ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州政府は、牛の売却益がイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の活動資金になるのを防ぐため、州内にある牛の取引所4か所を一時閉鎖した。
カシム・シェッティマ(Kashim Shettima)州知事は、公の場所が「テロ活動資金の調達手段」になるのを防ぐ州政府の取り組みの一環だとした上で、後日通知するまで「取引を全面停止する」と明言した。
ナイジェリア軍はボルノ州ならびに隣接する2州で昨年から実施した作戦によってボコ・ハラムが支配下にあった地域を奪還した。ナイジェリア政府は、ボコ・ハラムは「理論上は」敗北したと認識している。
ボコ・ハラムは、農業地帯の奥地にある村を急襲して逃走する手口に特徴があり、戦闘員が家畜の牛や食料を略奪する事例が増えている。軍は、ボコ・ハラムの供給ルートを断ち食料や自動車燃料、武器の調達を困難にしたと主張しており、戦闘員らが徒歩や自動車で村を襲うケースもある。
ボルノ州のシェッティマ知事が治安当局の報告として牛の取引業者らに語ったところによると、ボコ・ハラムが襲撃で略奪した家畜は、悪徳仲介業者によって市場で法外な高値で売却されていたという。