世界的なボクサーとして一時代を築き、現在は自身のプロモーション会社を率いるオスカー・デラホーヤ氏がこのほど、現在のボクシング界で屈指の実力と人気を誇る2選手による試合を開催すると発表した。
5月に行われるこの試合で激突するのはメキシコ出身のサウル・アルバレス(25)と英国出身でイスラム教徒でもあるアミール・カーン(29)。デラホーヤ氏によれば、今回のマッチメイクは今秋の米大統領選で共和党からの指名獲得を目指す資産家、ドナルド・トランプ氏の発言に触発されたものだという。
メキシコと米国両方の国籍を持ち、トランプ氏と一緒にゴルフをしたこともあるデラホーヤ氏はCNNのインタビューに応じ、メキシコ国境での壁の建設やイスラム教徒の入国禁止を訴えるトランプ氏について「あきれ返っている」と非難。一連の発言への抗議の意味を込め「イスラム教徒のボクサーとメキシコ人のボクサーが同じリングに立つビッグマッチを仕掛けてトランプ氏に見せてやろうと考えた」と説明した。
デラホーヤ氏はさらに「トランプ氏には一大イベントのアイデアを与えてもらって感謝している。ラスベガスで行われるこの試合は有料のテレビチャンネルで中継され、何百万人ものイスラム教徒とメキシコ人が視聴するだろう」と語った。
試合が行われる5月7日はメキシコでの祝日に当たる。
試合はWBCミドル級王者のアルバレスにカーンが挑む図式。カーンは階級を2つ上げて対戦に臨むため、下馬評はアルバレス有利となっている。