台湾の銀行、中国事業のリスク高まる
台湾中銀は、中国本土の経済が減速しており、域内銀行の本土事業のリスクが高まっているとの認識を示した。29日遅く公表した年次金融安定報告で明らかにした。
ただ、本土事業を拡大するチャンスは依然として存在するとも指摘した。
報告書は、本土企業の業績が伸び悩んでおり、債務不履行のリスクが高まっていると指摘。太陽光発電などの業界が供給過剰に陥っているほか、地方政府の債務も拡大していると指摘した。
本土の銀行部門については、中国人民銀行(中央銀行)が昨年発表した改革を受け、利ザヤが縮小するなど、競争がさらに激しさを増す可能性があるとしている。
近年、中国と台湾の銀行は結びつきを強めている。台湾の銀行は昨年末時点で中国本土に11支店(資産総額1513億台湾ドル=50億米ドル)を開設している。
4月鉄スクラップ輸出、70万トン台
財務省の貿易統計によると、4月の日本からの鉄スクラップ輸出量は75万4932トン(前年同月比14・4%減)で昨年5月(77万5344トン)以来の70万トン台となった。前年同月比は11カ月連続のマイナスとなったものの、前月比は31・8%増と3カ月連続プラスとなった。
仕向け先別で見ると、韓国が32万7948トンで前年同月比40・3%減、中国が21万7564トンで同19・0%減、台湾が6万7645トンで同553・9%増、ベトナムが13万5016トンで同224・6%増。
台湾の製鉄所、まるで廃虚=反中暴動の爪痕深く
ベトナム中部ハティン省で建設中の台湾プラスチック製鉄所。時事通信は30日までに、南シナ海での中国の石油掘削作業に怒ったデモ隊が5月中旬に襲撃し、現在は立ち入りが厳しく制限されている現場の写真を入手した。以前は建設工事で数千人が働いていた製鉄所が、廃虚のように様変わりしていた。
台湾プラスチックによると、襲撃で少なくとも中国人4人が死亡、約160人が負傷した。最近台湾系と韓国系企業が担当する工区は工事を再開したが、中国の工区は元請け会社が従業員3000人以上の帰国を命じ、再開のめどは立っていない。原則立ち入り禁止で、写真には人影すらない。
中国工区で一部工事を請け負っている日系企業の関係者は「われわれでさえ中に入れず、建設機械を解体して外に出すこともできない。大きな損失だ」と述べた。
台湾喔熊、LINEスタンプリリース
交通部観光局のバーチャルイメージキャラクター、台湾喔熊(Oh!Bear)の日本向けLINEスタンプが27日にリリースされた。このスタンプは、日本向けの台湾観光PRウエブサイト「旅行心台湾 TIME for TAIWAN」で、5月27日から7月21日まで無料でダウンロードできる。
LINEとは、スマートフォンやタブレット端末などで無料でメールのやり取りや通話のできるアプリのこと。スタンプは、テキストメッセージに挿入できるイラストのことで、メッセージのやり取りをいっそう楽しくすることから、企業はそれを利用して顧客との距離を縮め、身近に感じさせることにより、顧客をファン化している。
交通部観光局は今回、絶滅に瀕しているとされる、台湾の固有種、台湾黒熊をモチーフにした、台湾喔熊(Oh!Bear)のスタンプ4種類のほか、日本の吉本興業とのタイアップで、台湾でも人気のお笑い芸人、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんや、お母さんが台湾出身の渡辺直美さん、および台湾で楽しめる足裏マッサージや美容院でのシャンプーなどのサービス、小籠包、マンゴーカキ氷などのグルメをモチーフにしたLINEスタンプ12種類をリリースした。合計16種類。
台湾喔熊(Oh!Bear)のスタンプは、自転車に乗る熊君、親指を立てて、「いいね」という文字で、台湾のよさを強調する熊君、台湾の道教のお祭りに登場する神様、「三太子」に扮した熊君、台湾の有名な飲み物、タピオカミルクティーをストローで飲み、台湾のナイトマーケットのB級グルメの美味しさを強調する、美味しいという文字が右に書かれた熊君の四種類。
江・行政院長:WHAにおける影響力強まった
江宜樺・行政院長が、WHAにおける台湾の影響力は更に高まったと述べた。さきごろ、衛生福利部の邱文達・部長が率いる代表団が、WHO(世界保健機関)の年次総会、WHAに6度目の参加を果たし、WHOの会員国と様々なテーマについて話し合った。
行政院の孫立群・スポークスマンは、江・行政院長の言葉として「邱・衛生福利部長率いる代表団は6回目の参加を果たした。そしてWHO及び会員の国、地域と様々なテーマについて交流した。今回、我々は25回の技術会議に参加したほか、58の会員国、地域と二者会談を行った。58という数は昨年の22の2倍以上で、過去最多だ。また、今年も中国大陸との衛生会談を行った。これらは台湾のWHA参与の深さと幅を広げ、世界の衛生、医療分野での台湾の影響力と可視性をさらに高めた」と述べた。
江・行政院長はまた、WHOへの参与は台湾の医療、衛生面の専門的な実力を世界に示すと共に、国際社会に台湾が認められるための重要なプラットフォームだと指摘、台湾が世界の衛生政策の発展及び疫病防止ネットワークから遅れを取らず、国民の衛生、健康と福祉を高められるよう、各界が努力することを求めた。
尚凡資訊、台湾での婚活事業拡大で日本企業と提携
交流サイトを運営する尚凡資訊が29日、日本のIBJと新会社「愛婚活」(IBT)を設立したことを発表した。台湾の婚活ビジネスを開拓し、将来は株式上場も目指す。
「愛婚活」は資本金1000万台湾元(約3380万円)で、尚凡資訊が40%、IBJが57%、仁美国際が3%を出資。董事長はIBJ副社長の中本哲宏氏。
尚凡資訊の張家銘董事長(=写真左)はインターネット上のサービスと共に実際の出会いの機会を提供することが必要で、お見合いパーティー、婚活相談など各種イベントを相次いで催し、1年以内に会員数5万人と5000組のカップル成立を目指すと意気込んでいる。
2012年に内政部が発表した調査によると、台湾の初婚年齢の平均は男性31.9歳、女性29.5歳。前年と比べると男女共0.1歳遅く、10年前よりそれぞれ0.9歳、2.7歳遅くなっている。日本の男性30.8歳、女性29.2歳と比較しても台湾の晩婚化がすっかり定着していることがうかがえる。
日本人夫婦、懐かしの地で彫像の旧知と“再会”
古い写真を通して台湾の人々との絆を深め、この20年来毎年のように来台している日本人男性がいる。今年は故人の面影を尋ねて台湾最大の塩田が有名だった台南の七股を夫婦で訪れた。29日付の中国時報が伝えた。
安藤邦夫さん(83)は台湾で生まれ育ったいわゆる“湾生”。古い写真の収集という趣味を通じて民宿の主人、洪有志さんの一家と長年にわたって親交を結んでいる。
父親が日本統治時代の台湾で警察官をしていた安藤さんは、現在の台南市北門区に生まれたが、ここ20年余りは当時からの知り合いだった医者の王金河さんのほか、安藤さんの乳母で王さんの診療所で婦長を勤めていた女性のところにも彼女が数年前に亡くなるまで毎年のように訪れていた。
ところが今年3月、王さんは病気で他界。悲しんだ安藤さん夫婦は、七股の塩山に王さんの彫像があると聞いて再び台湾を訪れた。王さんは地元の「烏脚病」の治療に貢献した医師として知られている。
28日、塩山にやって来た安藤さんは王さんの姿を目にすると懐かしい台湾での子供時代を思い出し、思わず声を詰まらせた。夫人の葉子さんももらい泣きしていた。
安藤さんは自身の健康問題もあり、訪台は今年が最後になるかもしれないと語り、旧友らとの再会に感慨ひとしおの様子だった。
日台企業が婚活で合弁、台湾でパーティー事業
日本国内でお見合いパーティーなどを手掛けるIBJと、台湾でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイト「愛情公寓」を運営する尚凡資訊との合弁企業「愛婚活(IBT)」は29日、台湾でお見合いパーティー事業を拡大する方針を明らかにした。
IBTは資本金が1,000万台湾元(約3,380万円)。IBJが57%、尚凡資訊が40%、コンサルティング会社の仁美国際が3%を出資し4月に設立後、台北市内で5回のパーティーをすでに実施した。台北市内で開いた説明会で、IBTの中本哲宏董事長(IBJ副社長)は「日本と同様、台湾も晩婚化と少子化の時代を迎えている。男女が知り合える場へのニーズは台湾で強いと実感する」と合弁の意図を説明した。提携相手である、尚凡資訊の張家銘董事長は「我々のサイトの会員に実際の出会いを提供するサービスが必要だった。日台の企業による充実したサービスを台湾全土で提供していきたい」と抱負を述べた。
すでに、愛情公寓のサイト内にバナーを貼り、会員がお見合いパーティーに応募できる仕組みを構築。IBTが台湾で手掛けるお見合いパーティーの1回の参加費は、女性が600元で男性が980元。中本董事長によると、台湾では付き合う相手の条件として月収や職業、学歴を求める傾向が日本以上に強いという。このため、パーティーへの応募の際に収入といった条件をつけるなどして、幅広いニーズをくみ取る考えだ。7月には常設のパーティー会場を開業する予定。
日本滞在中の台北市長選・国民党公認候補、平沼赳夫氏らを訪問
国民党を代表して今年末の台北市長選挙に出馬する連勝文氏(=写真左)は28日、訪問中の日本で日華議員懇談会の平沼赳夫会長(右)らと面会した。連氏は東京と台北の間には多くの協力の可能性があると語り、今後の交流拡大に期待を示した。
連氏は国民党幹部らや企業経営者などと共に日華議員懇談会を訪問。平沼氏のほか今村雅弘自民党副幹事長、松原仁民主党国会対策委員長などが出迎えた。
平沼氏は、昨年3月の日台漁業協定の締結後、日本と台湾の関係がさらに深まっていると指摘し、故宮博物院(台北市)の収蔵品が今年6月から日本で展示されることは具体的成果の表れだと双方の良好な友好関係を強調した。
27日に3泊4日の日程で来日した連氏。この日午後には国民党の東京支部を訪問した。このほか訪日期間中には“ミスター円”こと榊原英資氏とも話し合いの機会がもたれるという。
成田市議会の視察団が嘉義訪問 交流強化で
千葉県成田市の市議会議員らの視察団が28日、台湾中南部の嘉義市を訪問し、同市内の史蹟資料館などを見学した。
成田から来台したのは平良清忠、福島浩一、佐久間一彦の各議員などで、今年台湾で公開された映画「KANO」のヒットをきっかけに、舞台となった嘉義を訪問したという。出迎えた李錫津・嘉義副市長は映画にも登場した嘉義農林高校野球部のエース、呉明捷投手をモチーフにした置物をプレゼントした。
視察団は史蹟資料館のほか、「檜意活村」(ヒノキビレッジ)など市内の名所を見学。地元名物の鶏肉飯にも舌鼓を打ち、嘉義の魅力を堪能した。また、「成田は成田空港だけじゃないですよ」とアピールし、観光客増加に期待を寄せた。
中華電信、業界に先駆け4Gサービス開始
通信大手の中華電信(Chunghwa Telecom)電信は29日、同日から業界に先駆けて第4世代(4G)高速通信サービスを始めると発表した。サービス開始時期は当初は6月末から7月初めにかけてを予定しており、同業他社に驚きを与えている。蔡力行・董事長は「機先を制して当面40%のシェアを確保したい」と語った。サービス対象地域は今のところ台北市、台中市、高雄市の3市のみだが、7月中に新北市、台南市が加わる見通しだ。
元中日・郭源治さん、故郷の球児を指導
日本プロ野球、中日ドラゴンズで抑えのエースとして活躍した郭源治さんは29日、出身地の台東県に戻り、地元中学・高校の球児たちに熱血指導を行った。
郭さんは、「プレッシャーのかかる時こそ、自分の真価が問われる」などと述べ、精神力を鍛える必要性を強調。また、一対一の指導も行い、後輩たちの投球フォームについて身振り手振りを交えながらアドバイスした。
台東大学附設体育中学校の陳佳祥君は、「(郭さんのアドバイス通り)フォームを修正したら、前より楽に投げられるようになり、コントロールもよくなった」と話した。
郭さんは1996年中日を退団し、2001年から名古屋でレストランを経営していたが、昨年は台湾プロ野球「中華職業棒球大連盟(CPBL)」の首席顧問に就任、台湾の野球文化の形成や球界全体の活性化に取り組んでいる。
海巡署:南沙諸島を死守
行政院海岸巡防署(海巡署)が、南沙諸島を死守すると宣言している。中国大陸とベトナムとの領有権争いで南シナ海で緊張が高まっている中、与党・国民党の紀国棟・立法委員は29日、立法院での答弁で、行政院海岸巡防署に対して、中華民国は、挑発行為を回避する立場にあるが、周辺国家が戦争勃発を理由に、中華民国の領土である太平島を占拠した場合、どう対処するかについて質問した。
これに対し、海岸巡防署の王進旺・署長は、太平島を死守し、そのような事態は起こさせないと強調した。王・署長はさらに太平島における防御に関する取り組みについて説明、「第一に人員はみな海軍陸戦隊。第二に、巡視船の性能を高めること。そのほかに、戦備能力を高めるため、2013年から2014年までに台湾元1億2000万元あまりの予算を編成している。また埠頭の予算も編成している。南沙諸島の中で最大の太平島の埠頭は来年末にも完成する」と話した。
一方、ベトナムで起きた反中国大陸の暴動により、現地の台湾企業のうち408ヶ所が侵入され、25ヶ所が放火に逢った。損害は1億5000万米ドルから5億米ドルに達している。経済部の張家祝・部長は29日、中華民国台湾はベトナムと、台湾企業の問題が解決したか否かを9月末以前に確認することで合意に達したと述べた。9月末になっても、問題が解決できない場合、経済部は経済制裁を行うかどうかについて、張家祝・部長は、現時点では現地の台湾企業関係者の人身と財産の安全を守ることを最優先し、双方の関係を損なわないことを主要な目標にするとしている。
台湾・復興航空、大阪に事務所を開設 関西市場の開拓に本腰
台湾のトランスアジア航空(復興航空)は30日、今年3月に台北(桃園)−大阪(関西)路線で1日2便の増便を行ったのに続き、このほど大阪・梅田に事務所を設置したと発表した。日本市場での商機拡大を狙うとともに、台湾で人気の関西地方を観光やビジネスで訪れる旅行者のニーズに応える。
2012年6月に就航した大阪路線は復興航空にとっては初の日本定期路線で、同社の徐以聡総経理は大阪への増便と今回の事務所開設は関西市場重視の表れだと強調。今後は東京と大阪をそれぞれ関東地方と関西地方の拠点とし、日本での事業活性化の2大エンジンとしたいと意気込みを示した。
さらに同社では日本を訪問する台湾人観光客の大きなニーズに応え、夏休みシーズン中も優位に立とうと、大阪線以外にも東京線、沖縄線での増便を計画中。沖縄線では5月〜7月、月あたり往復20便の夏季増便を行う。また、台北(桃園)−東京(成田)線は1日1便から2便へ増便する計画で、うち1便はエアバスA330-300型を使用するという。
経済閣僚、対台湾投資のメリット強調 日本企業向け座談会で
国家発展委員会の管中閔主任委員(閣僚級)は29日、日本の商工団体代表らを対象とした座談会で政府が整備を進める「自由経済モデル区」について、他の自由貿易区より強い競争力を有していると自信を示すとともに、日本企業が同モデル区を東南アジアとのつながりを維持する際の拠点になればと期待を述べた。
丸紅やソニー、伊藤忠商事など日本の大手企業関係者70人余りが出席したこの会合で、自由経済モデル区に関する条例が国会で可決される可能性や中国大陸の上海自由貿易試験区との異同が質問されるなど活発な意見交換が行われた。
モデル区関連条例の国会通過の可能性をめぐって、管主任委員は早期成立を目指して最大限の努力をしたいと述べたほか、同モデル区が上海の試験区より優れている点として法規制環境の透明性や金融業者への規制緩和、台湾製造業の優位性、政府の効率強化などを挙げている。
自由経済モデル区は政府が台湾経済の自由・国際化などを目指し、法規制の緩和やより充実した金融・物流サービスなどを他地域に先んじて提供するエリアで、台北港や桃園空港などで関連の整備が進められている。
陸委会、両岸観光客交通事故SOP策定へ
行政院大陸委員会(陸委会)が、台湾海峡両岸の観光客が事故に遭った際のSOP(標準作業手順書)を作成する。
さきごろ、中国大陸福建省で、台湾の団体旅行客が乗ったバスが河に転落する事故が発生し、多数の死傷者を出した。
江宜樺・行政院長は29日の閣議で、関連部署に対し、中国大陸に事故責任の徹底的な追及を要求すること、損害賠償請求などのサポートを行うことを指示した。
江・行政院長はまた、交通部は引き続き、台湾の台湾海峡両岸旅遊協会と、中国大陸の海峡両岸旅遊交流協会によるプラットフォームを通じ、中国大陸側に対して、台湾の観光客の安全を強化することを要求するよう指示した。
中華民国政府で対中国大陸政策を担当する、行政院大陸委員会の張顕耀・副主任委員は、大陸委員会は、関連部署とSOP(標準作業手順書)を検討することにしており、両岸の観光客が重大な事故に遭った際には専門チームを設立し、対応のレベルと効率を高めるとしている。
張・副主任委員は、「今後、重大な事故が発生した際には、SOPに沿って作業を進める。政府の各部会も全力でこのメカニズムに従う。また、中国大陸と調整して、旅行の品質と安全強化措置についてより踏み込んだ対策をとる」と述べた。
台湾博物館で鉱物標本特別展開催 日本人発見の“北投石”も展示
台北市の国立台湾博物館では今月から4カ月間、同博物館収蔵の鉱物標本の特別展示を行う。展示にはかつて日本人研究者が採集した「北投石」(=写真)をはじめとする貴重な鉱物20点が含まれる。
「北投石」は日本統治時代の台湾で岡本要八郎が1905(明治38)年、北投の温泉、瀧乃湯で入浴した帰りに渓流の河床で偶然発見した新種の鉱物。放射性元素のラジウムを含むもので、1912年にこの温泉地にちなんで命名された。
岡本要八郎(1876−1960年)は愛知県尾西市出身の地質学者。子供の頃から鉱物に興味を持ち、初めて台湾の鉱物を採集したことで知られる。1899年に渡台、1909〜24年に台湾総督府鉱物課に技手として勤務、国立台湾博物館の前身、総督府博物館の草創期に鉱物採集任務を兼任し、鉱物陳列室を設置。この頃採集した鉱物が現在の収蔵品の基礎を成している。
岡本は1908年、川上瀧彌と共に台湾博物学会を創立し、日本帰国後は1939(昭和14)年より九州帝国大学に奉職。北投石、石黄、石英、雄黄、バラ輝石、トパーズ、ジルコンなど様々な鉱物を研究、台湾の鉱物に関する90編余りの論文・文章を「地質学雑誌」「台湾鉱業会報」「台湾博物学会会報」などの出版物に発表、鉱物学研究に多大な貢献をした。
岡本が収集した数千点もの鉱物は日本では後年、つくば市にある地質調査所の地質標本館に移されている。また、2005年10月には台湾で「發現北投石100週年」が開催され、息子の岡本正豊氏が出席。教育部は岡本要八郎に「文化教育奨」を追贈した。
国立台湾博物館(台北市襄陽路2号、2・28和平公園内)の開館は午前9時30分〜午後5時(月曜休館)で入館料は大人20元、学生・子供10元(1台湾元=約3.39円)。特別展「『投』頭是道−臺博館館藏岩礦標本選粹展」は5月20日から9月21日まで。
映画法改正、海外の撮影隊に税制優遇へ
映画法の改正草案が行政院で承認され、今後、海外の撮影チームが台湾でロケを行う場合、税制面で優遇されるようになる見通し。
映画産業ではグローバル化が進み、様々な国や地域のスタッフが映画製作に携わっている。こうした情勢に対応するため、行政院は29日、映画法の改正草案を承認した。
立法院で可決された場合、海外の撮影隊が台湾でロケを行う際の食事、宿泊、買い物などの費用について税金還付などの優遇措置が取られるようになる。国際的な大作の製作を台湾に引き付けると共に、台湾の俳優や映画関係者が海外の作品に参与する機会が増えることが期待される。
孫立群・スポークスマンは、「改正の最大の精神は、これまでの管理、コントロールというやり方ではなく、指導に重きをおくことだ。一貫した原則は規制緩和だ。具体的には投資の奨励で、内外問わず、撮影、製作について税制上の優遇措置を設ける」と述べた。
台湾映画への投資を奨励するため、草案では、その年の営利事業の所得税額の30%を限度に、企業が台湾の映画に投資をする際、営利事業の所得税額の低減を申請できるよう定めた。この奨励措置は今年1月で期限切れとなっていたが、この草案が可決されれば、さらに10年延長できるという。
改正草案では、新たに映画館に、コンピューターによる興行収入統計システムの設置を義務付けている。これにより、従来の推定によるものではない、正確な数値が確認できるようになる。また、時代遅れの様々な規定が削除され、条文の数はこれまでの58から24に減った。
「KANO」出演のイケメン球児、薬物乱用防止へPR
台北で30日、政府による薬物乱用防止キャンペーンの記者会見が開かれ、席上、台湾映画「KANO」出演者で大学の野球部員でもある曹佑寧さんと陳勁宏さんが「ケタミンなどの薬物でなく、運動でストレスを発散しよう」と呼びかけた。
衛生福利部(保健省)の統計によると、台湾では近年、ヘロインやアンフェタミンの乱用が下火になりつつある一方、ケタミンなどへの依存は欧米諸国と同様、低年齢化の傾向があるという。
同部では、健康的で爽やかなキャラクターで若者に人気の曹さんと陳さんを会見に招き、キャンペーンを強くアピールしたい考えだ。
「KANO」は、日本統治下の台湾から夏の甲子園に出場し、準優勝に輝いた嘉義農林学校(現・嘉義大学)の実話をもとにしたもの。台湾では2月末から29日までの約3カ月間で3億1400万台湾元(約10億6400万円)の興行収入が記録され、今年最大のヒット作となっている。
ビザ免除相手国、6月から増加
外交部が29日、6月1日より、ヨーロッパのアンドラ公国(Principality of Andorra)とサンマリノ共和国に対して、ビザ免除措置を実施すると明らかにしました、この二ヵ国の国民が中華民国台湾を訪れる場合、90日間以内の滞在が認められます。
6月1日以降、中華民国台湾がビザ免除措置を実施する対象国は、45ヶ国に増えます。
中華民国がビザ免除措置を実施する国の大多数はヨーロッパにあり、36ヵ国あります。イギリス、フランス、ドイツなどの主要国家はすべて中華民国のビザ免除措置の対象国です。次に多いのはアジアです。日本、韓国、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシアの6ヶ国です。アメリカ大陸ではアメリカとカナダだけです。中東はイスラエルのみです。
なお、中華民国の国民は、現在140の国と地区でビザが免除され、またはランディングビザの優遇措置を受けています。外交部の高安・スポークスマン(報道官)は、台湾で実施されている民主政治、台湾の経済力、成熟した公民社会、および安全性が信頼できるパスポートなどは、いずれも世界各国が中華民国に対してビザ免除措置を実施する重要な原因になると述べました。