カナダで、宝くじに当せんし4000万カナダドル(約39億円)を手にした退職者の男性が、全額を慈善団体に寄付すると表明した。「お金はもう必要ない」からだという。
この男性は、今年9月まで家電卸売会社の社長を務めていたアルバータ州カルガリー在住のトム・クリストさん。公営カナダ放送協会の取材に14日、次のように語った。
「44年間、1つの会社で勤め上げ、十分な幸運に恵まれてきました。自分や子どもたちの暮らしを支えるだけの貯金があり、子どもたちの将来も心配はありません。当せん金は私には必要ないお金です」
クリストさんは、当せんの知らせを受けてから今まで名乗り出ていなかった。「どうすればいいのか分からなかったから」だという。携帯電話で知らせを受けたのは米カリフォルニア州でゴルフをしていた時だったが、電話の後に昼食を食べ、それからまたコースに出た。子どもたちにも宝くじに当たったことを黙っていたそうだ。
今後は基金を設立し、子どもたちと共に選んだ慈善団体に一定額ずつ寄付していく考えだという。